変動する太陽の南中時刻
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2019.07.15


 「 国立天文台 暦計算室 」というサイトで調べたところ、 今年の私が住んでいる地域の 日の出 ・ 南中 ・ 日の入り 時刻 は次のようになっていました。
  南中時刻がバラバラです。 その南中時刻を中心に日の出・日の入りは前後対象になっています。 私が住んでいる地域は東経 132.8 度なので明石市( 東経 135 度 )よりも 約9分( 1度 = 4分 )太陽が東にあるので、 南中時刻は常に 12:09 になっているはずなのですが ・ ・ ・ ?

  その理由の1番目は、 地球の公転軌道が楕円形になっていて移動速度が若干変化していることです。 ケプラーが発見した「 惑星の面積速度一定の法則 により、 地球は冬至のころに最も速く移動し、 夏至の頃に最も遅く移動します。 地球は1日当たり平均 361 度 自転しています ( 太陽にとっては地球は1日当たり 360 度 自転しているのです ) が、1日間の移動距離が平均よりも大きいと、 361 度以上 自転しなければ翌日の太陽は南中しません。 したがって、 翌日の南中時刻は遅くなります。 このような理由で、 冬至のころは2日間で最も大きく南中時刻が遅れ、 夏至のころは2日間で最も大きく南中時刻が早まります。 一方、 春分や秋分のころは、 2日間での南中時刻差はなくなります。 その結果、1年のうち南中時刻が最も遅いのが春分で、 南中時刻が最も早いのが秋分になります。( 実際はこれと異なりますが、 その理由は、 これに次の2番目の理由が重なるからです。)

  惑星の自転を観察するときは、 客観的な見方にするために、 公転の中心で惑星の公転の角速度と同じ角速度で自転している観察者の立場で観察しなければならないし、 惑星の公転を観察するときは、 客観的な見方にするために、 公転の中心で自転していない観察者の立場で観察しなければならないという原則がある。
  観察者は同時に四方八方を見ることができるのであって、 星の中心に存在し移動も自転もしていない観察者のことを「 星神 」と言うことにする。


  理由の2番目は、 地球が自転の地軸を一定の方向に保ったまま公転していることです。( 正確にはごくわずかに変化していますが1年間あたりの変化は無視できます。 )ということは、 太陽の中心で地球の公転の角速度と同じ角速度で自転している「 太陽神 」からすると、 地球は1年間の周期で歳差運動をしていることになります。 地球の歳差運動とは、 地軸の向きが周期的回転的に変化することです。 太陽神にとっての地球の見かけの歳差運動の角速度は公転面に対して垂直であり、 北半球から南半球の向きになります。 一方、 地球の自転の角速度の向きは地軸の南から北向きです。 そして、 この2つの角速度のなす角は 156.6 度 になります。 この2つの角速度を合成したものが、 太陽神にとっての地球の見かけの自転を表す角速度になります。

  さて、 太陽神にとっての地球の見かけの歳差運動の角速度は絶えず大きさを変化させます。 なぜなら地球の公転軌道が楕円形だからです。 太陽神にとっての地球の見かけの歳差運動の角速度の大きさは、 地球が通過中の軌道の曲率半径 と 地球の移動の速さ によって決まります。 曲率半径が小さいほど、 地球が速く移動するほど、 それは大きくなります。 したがって、 冬至と夏至のころが最も大きくなり、 春分と秋分のころが最も小さくなります。 よって、 太陽神にとっての地球の見かけの自転速度は、 冬至と夏至のころに最小となり、 春分と秋分のころに最大となります。 そのために、 冬至と夏至のころが2日間で最も大きく南中時刻が遅くなり、 春分と秋分のころが2日間で最も大きく南中時刻が早まります。 また、 太陽神にとっての地球の見かけの自転速度が平均値に近づくのは、 2/4 前後、 5/5 前後、 8/7 前後、 11/7 前後 となります。

  以上の2つの理由が合成されて、 実際の南中時刻の変動が起きています。 その結果、 南中時刻が最も遅くなるのは 2月の約1か月間、 最も早くなるのは 10月下旬 〜 11月上旬 になります。 また、 次の期間はほとんど南中時刻は変動しません。 2月の約1か月間、 5月の約1か月間、 7月中旬 〜 8月上旬、 10月下旬 〜 11月上旬。

   * 公転や自転などの回転運動を左脳で考えるためのコツ
       1. 角速度はベクトルであり、 回転面に対して直角な向きで、 右ネジの法則に従う。
       2. 角速度は合成することができる。
       3. 観察者の角速度は反対方向にしてから合成しなければならない。
       4. 公転運動の中心にいて公転運動と同じ角速度で自転している人にとっては、
         対象物は公転していない。

 ※ 参照: 大学生のための数学 > プログラミング > 太陽の南中高度を求める