変わった形をしたガラスの容器が2つあります。 その中に8分目ほどの水を入れた断面図は次のようになります。

しかし、 これで本当にいいのでしょうか?
容器には、 その法線方向( 垂直方向 )に水の「 重量力 」の法線方向の成分が作用し、 その反作用として、 容器から水に反対方向で同じ大きさの抗力が作用します。 まず左の図を見てください。 断面が正方形になっている部分の底において、 水の「 重量力 」と抗力が吊り合っているので、 その上の水の「 重量力 」は断面が正方形になっている部分の頚部にかかる圧力に影響を及ぼしませんので、 断面が正方形になっている部分の頚部になっている所に上からかかる水圧と、 断面が長方形になっている部分の正方形頚部と同じ高さの部位に上からかかる水圧は等しくなっています。 したがって、 両方の水面の高さが等しいということは整合性があります。 次に右の図を見てください。 断面が三角形になっている部分では、 水の「 重量力 」が抗力によって打ち消されるのは、 容器の法線方向だけであって、 水の「 重量力 」の容器の接線方向の成分が、 断面が三角形になっている部分の頚部になっている所に上からかかる水圧に加わり、 断面が長方形になっている部分の三角形頚部と同じ高さの部位に上からかかる水圧よりも大きくなっています。 したがって、 整合性がありません。 断面が三角形になっている部分の水面は断面が長方形になっている部分の水面よりも低くなっていなければならないのです。 下の図が正解だと思います。

しかし、 この考え方は間違いです。 最初の図でいいのです。 どこが間違いかと申しますと、 最初の下線をつけた部分です。 容器には、 その法線方向( 垂直方向に )「 水圧 と 大気圧 の合計 」が作用していますが、 水の「 重量力 」は作用していません。「 水圧 」という概念の中に水の「 重量力 」は包括されているのです。 水の「 重量力 」は、 質点の「 重量力 」や 剛体の「 重量力 」とは異なり、 抗力を作用している壁の法線方向と接線方向の成分に分解できるものではありません。
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