フェーン現象
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2014.08.05
フェーン現象のしくみは、 水蒸気を多く含む気体の断熱膨張による気温低下 と 霧をあまり含まない気体の断熱圧縮による気温上昇 の差 です。
自転車のタイヤに空気を入れた時のことを思い出してください。 空気を圧縮すると、 そのときに使ったエネルギーが熱に変わり空気の温度が上がります。 逆に空気を拡張させるとエネルギーを失って温度が下がります。 この現象を「 断熱膨張による気温の低下 」といいます。 断熱膨張による気温の低下の実験は、 ペットボトルと「 炭酸抜けま栓 」などの商品名で販売されているペットボトル用加圧器を用います。 実験は空気を圧縮して気温を測ったところからスタートします。 栓を抜くとペットボトルから空気が出ていきますが、 中に残った空気は霧を含んでいて気温が下がっています。
水蒸気を含む空気の断熱膨張の場合は、 水蒸気の凝結によって熱が放出されることを考えなくてはなりません。「 内部エネルギーが比較的大きい水蒸気という気体 」が「 内部エネルギーが比較的小さい霧という液体 」に変化するときには、 周りにエネルギーを放出します。 この放出された熱によって空気は暖められますので、 水蒸気を含まない空気の断熱膨張に比べて、 気温の下がり方の程度は小さくなります。
水蒸気を多く含む湿度の高い空気は100m上昇するたびに、 断熱膨張によって雲を作りながら 0.65 ℃ 温度を下げるそうです。 一方、 水蒸気を少ししか含まない湿度の低い空気は100m上昇するたびに、 雲を作らず 1℃ 温度を下げるそうです。 水蒸気を多く含む湿度の高い空気の流れが山にぶつかって上昇すると、 霧を作って水蒸気を少ししか含まない湿度と温度が低い空気へと変わります。 霧は雨を作って減少します。 その霧を含んだ空気が山の反対側の斜面を下ります。 すると、 霧は水蒸気になります。 そして、 元の高さまで下降すると温度が上昇しますが、 その温度は最初の温度よりも高くなります。 これがフェーン現象です。