表示上の速さ
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2013.03.28


  相対性理論では、 2つの慣性系で速さの異ならない音が、 速さが異なることになってしまいます。 それは次の思考実験で明らかになります。


  無風状態です。 観察者A と 観察者B の2人が同じ場所にいます。 10メートル先に無限に広い平面鏡が鉛直に立っています。 観察者の位置から四方八方に音と光を同時に発射します。 音の速さを 、光の速さを とします。 すると、 平面鏡で跳ね返えされて、 光、 音 の順に帰ってきます。 音と光を発射してから最初に音が跳ね返ってくるまでの時間を 、最初に光が跳ね返ってくるまでの時間を とします。


  今度は、 風が鏡の平面に対して水平に速さ で吹いている状況で同じ実験をします。 光は風の影響を受けませんので、 最初に光が跳ね返ってくるまでの時間は です。 しかし、 音は風の影響を受けます。 結局、 速度の風上の方向に向かう成分が となる方向の音が最初に帰ってくることになります。 そのために最初に音が帰ってくるまでの時間は次のようになります。
     
                     


  今度は、 無風の下、 平面鏡 と 観察者A を鏡の平面に平行な方向に同じ速さ で移動させます。
観察者Aの観察において、 観察者Bにとって最初に音が帰ってくるまでの時間は次のようになります。
     
観察者Aの観察において、 観察者Bにとって最初に光が帰ってくるまでの時間は次のようになります。
     
                      

観察者Aの観察において、 観察者Aにとって最初に音が帰ってくるまでの時間は次のようになります。
     
観察者Aの観察において、 観察者Aにとって最初に光が帰ってくるまでの時間は です。

  音が帰ってくる時間は、 観察者A と 観察者B とで同じですが、 光が帰ってくる時間は 観察者A と 観察者B とで異なります。

  相対性理論では、 光が跳ね返ってくる時間が異なるのは、 慣性系によって時の経過のスピードが異なるためであるとしますので、 この場合でしたら、 音の「 実際の速さ 」は観察者Aが観察するのと観察者Bが観察するのとで異なりませんが、 音の「 表示上の速さ 」は観察者Aが観察するよりも観察者Bが観察する方が遅くなります。 このように、 相対性理論では、 音の速さが「 実際の速さ 」と「 表示上の速さ 」とに自己分裂してしまいます。


  観察者Aの観察において、 観察者Aにとって最初に光が帰ってくるまでの時間 と 観察者Bにとって最初に光が帰ってくるまでの時間 とは等しいと、 私は考えます。 なぜなら、 観察者Aの観察において、 観察者Aが観察する光子は観察者Aの時空間を移動し、 観察者Bが観察する光子は観察者Bの時空間を移動すると考えるからです。 そのイメージアニメを十進BASIC のプログラムで作ってみました。