資本論の要旨
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2019.01.16


  資本論は全部で3巻ありますが、 マルクス( 1818 〜 1883年 )が書いたのは1巻だけです。 1巻は 1867年 に初めて発刊されました。 2巻3巻は、 マルクスの死後に友人のエンゲルスによって書かれました。 資本論とは資本主義の欠点の暴露本であると思われている方が多いかと存じますが、 いやいや、 もっと奥深い科学的な書物です。 資本論の中でマルクスが成し遂げたことは、 経済学の基礎を完成させたということです。 また、 資本論の中でマルクスが挑戦したことは、 唯物弁証法の経済学への適応だと思います。


(1) 労働価値学説 (2) 本源的蓄積 (3) 利潤と資本の移動と資本の増大 (4) 国家介入のない資本主義のモデルにおける窮乏化法則   経済学の父と言われるアダムスミスが国富論を著わしたのは、 資本論よりおよそ90年前です。 彼は、 外国の金銀と自国の生産物とを交換することで国の富が増えていくと考えられていた重商主義の時代に、 国の富は国民の労働が作ることを明らかにし、 社会的分業を進めて生産性を上げる必要性を示しました。 また、 市場原理によって価格が自動的に調整されることも明らかにしたのです。 というわけで、 マルクスが労働価値学説を創造したのではなく、 彼はアダムスミスの発想を50年後に発展させたリカードによって提唱された労働価値学説をより実証主義的な科学へと導いただけなのです。

  ケインズは、 マルクスが明らかにした資本主義の窮乏化法則は国家の介入によって克服できることを示しました。 国債発行 と 公共事業 によって雇用促進をすれば、 長期不況 や 恐慌 などの経済現象を防ぐことができることを示したのです。 また、 金融政策の必要性も示しました。 平均利子率 を 平均利潤率 よりも低くすれば景気が回復することを示したのです。 また彼は、 累進課税による失業労働者の負担軽減も提案しています。