臥龍山荘
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2012.04.05


瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の
われても末に 逢わんとぞ思ふ

                 崇徳院 ( 平安時代末期 )
意味 :
  瀬の流れが速いので、 岩に当たって二つに分かれる滝川の水がまた一つになるように、 愛しいあの人と別れても、 いつか再び巡り合うことを念じて誓う。


筑波嶺の みねより落つる みなの川
恋ぞ積もりて 淵となりぬる
                 陽成天皇 ( 平安時代中期 )
意味 :
  筑波山の峰を流れる男女川の、 水が集まって淵となるように、 私の恋も、 ひそやかな思いが積もり積もって、 深い思いになってしまった。


  これらは、 小倉百人一首の中の、 恋の思いを川の流れに例えた和歌です。 川の「 瀬 」と「 淵 」は、 川の曲線部の横断面の部位による名称だと思っていたら、 違っていました。 私は、 曲線部の内側で河原に近い浅い所が「 瀬 」で、 曲線部の外側で水流に削られて崖になっていて水深が深くて水の流れが遅い所が「 淵 」であると思っていたのです。「 淵 」はそれで合っていたのですが、「 瀬 」が違いました。 川底の従断面は模式的には次のようになっているとのことで、「 淵 」と「 淵 」との間にあって、 浅くて大きな石ころが沢山あり波立っていて流れの速い所が「 瀬 」だったのです。「 淵 」の川底にはあまり石が無く砂や泥になっているとのことです。 川底は、 日々刻々とエネルギーを変えながら流れて行く水の力が長い年月をかけて作り上げた地形です。

   

  先日、 帰郷した社会人1年目の娘を、 肱川の臥龍淵の崖の上に建っている「 臥龍山荘 」に案内しました。 地元でありながら She has never visited でした。 そして、 こんなに素敵な所があったんだねと、 感激していました。 臥龍山荘は明治時代の建物で、 数寄屋作りです。 庭の趣もあり、 こんな所で暮らせたらきっと心も和みます。 特に娘が感激したのは、 投げ入れ堂のように崖っぷちに建てられた柱で支えられている「 不老庵 」から見下ろす肱川の眺めでした。 広いカーブを描いてこちらに流れてくる瀬の波に映った日の光がきらきらと目に入ります。 瀬の波に反射された月の光が蒲鉾型の天上に映るようになっているとのことでした。 また、 柱の1つには、 原生している槙の木が使われており、 当初からまったく上には伸びていないとのことでした。 隣の内子町の古き街並みを訪れた方は、 ぜひ臥龍山荘にもお立ち寄りください。