べたふみ坂
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2014.09.23


  島根県の松江市 と 鳥取県の米子市と境港市。 JR松江駅 と JR米子駅 と JR境港駅 とを直線で結んでできる三角形の中のほとんどは、 中海です。 中海は湖ですが境港で日本海とつながっていますので、 塩分濃度が海の半分くらいあります。 中海から川を西に4kmほどさかのぼると、 シジミで有名な宍道湖につながります。

  中海・宍道湖の淡水化を目的として、 昭和49年に日本海への出口に中浦水門が建設されました。 それは橋としての機能も兼ね備えるものでした。 ただし、 門の開閉に伴って渋滞が生じるという欠点がありました。 しかし、 淡水化事業が見直され延期され、 ついには中止となり、 平成16年に中浦水門の近くに江島大橋が開通すると、 橋としての役割にも終止符が打たれ、 中浦水門は撤去されました。

  中海には、 牡丹で有名な大根島があります。 昭和53年に大根島は干拓護岸道路で松江市とつながりましたが、 米子から大根島に行くには、 境港からの方が近く、 船を利用していました。 でも、 今では江島大橋を通って車ですぐです。 この江島大橋が全国的に有名になったのは平成24年です。 それは、 ダイハツのタントカスタムのCMによります。 そのCMは、 この軽自動車は「 べたふみ坂 」でもモロともしないと主張します。「 べたふみ坂 」とはよく言ったものです。 先日、 大学時代の友達たちに15年ぶりに会うために妻と一緒にプリウスに乗って山陰地方を訪れた際、 江島大橋のべたふみ坂を体験しに行ってきました。 境港側から入ったのですが、 それはCMとは異なる風景でしたので、 江島側に渡ったあとUターンすると、 見覚えのある天に連なる光景でした。 たしかに「 べたふみ坂 」です。 しかし、 実際に車を走らせてみると、「 これは軽でも楽々だね。」ということになりました。

                           



  江島大橋の道路勾配は、 江島側が 6.1 %、 境港側が 5.1% とのことです。「 道路上の基準点から水平方向に100メートル先の基準点よりも高い道路上の点 」の標高から基準点の標高を引いたものの単位をメートルから%に変更します、 するとそれが道路勾配になります。 ですから、 道路勾配が100%であるということは、 傾斜角度が45度であるということです。 100% = 1 ですから、「 勾配 」は一次関数の傾きの大きさの表し方と同じである ということができます。 もし、 垂直に天に向かって伸びる道路があるとすれば、 その道路勾配は200%ではなくて無限大であるということになります。 江島大橋の最高道路勾配 6.1 % を傾斜角度で表しますと、 次の式より 3.5 度になります。 予想以上に小さな角度だと思いませんか。 それでも実際に眺めると「 べたふみ坂 」に見えるから不思議です。
    

  軽自動車の限界の傾斜角度は18度くらいであると言われています。 ということは、道路勾配にして、 軽自動車は 30% くらいが限界であるということです。 それは次の式から導かれます。
    

  ちなみに、 ジープが進化したトヨタ・ランドクルーザーは、 傾斜角度45度( 道路勾配100% )を登ることができるそうです。