過去に行われた心臓カテーテル検査の統計より、 大動脈弁狭窄症のうち 左室-大動脈圧較差 が
のものは軽症であることがわかっています。 したがって、 心臓カテーテル検査のような大袈裟な検査をしなくとも、 心臓超音波ドップラー法検査をして、 大動脈弁直後の血流速度の大きさが
であれば、 大動脈弁狭窄症は軽症であることがわかります。 今回は、 この理由について流体力学を用いて説明します。
粘着性のない定常流の条件下では、 ベルヌーイの定理 が成り立ちます。 位置エネルギーが一定の時のベルヌーイの定理は次のように表されます。
したがって、 次のように置くと、
次の式が成り立ちます。
左室血流速度の大きさは大動脈内血流速度の大きさに比較すると著明に小さいので、 左室-大動脈圧較差 は、 上記の近似式で表される、 つまり、 大動脈内血液の単位体積あたりの運動エネルギーに等しいことがわかります。
は、 簡易ベルヌーイ式 と言われています。
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