(1) 慣性
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力が作用しない限り物質は等速直線運動を続けることを、 慣性の法則といいます。
慣性とは、 物質が力の作用を受けない限り同じ運動状態を続けようとする性質のことです。
慣性は加速度に関係する概念です。
加速度に関する重要な法則は、 ニュートンの運動方程式 :
です。「
ならば
である。 」 というのが、 慣性の法則です。私たちが住んでいる地球は、 重力があったり、 空気の抵抗があったりしますので、 移動している物質には必ず力が作用していますので、 等速直線運動を続けさせるためには、 このような力を打ち消す反対向きの力を作用し続けなければなりません。 しかし、 物質が1個しか存在しない真空空間では、 慣性の法則が明確になります。 等速直線運動を続けさせるためには、 力が無いことが必要なのです。 慣性を打ち破るのには力が必要です。 したがって、 惰性で生きていた方が楽なのですが、 それでは精進できません。
本来は慣性はこういった意味なのですが、 力を加えたときの速度の変化( 微小時間当たりの速度の変化が加速度です。) の起こりにくさという意味にも拡張されてきました。 ニュートンの運動方程式 :
を見れば明らかなのですが、 この意味での慣性は、 質量と同等なもので、 物理量の1つです。なかなか仕事を始めようとしない人をお尻が重い人と言います。 これは慣性の大きな人の代表です 。また、 エビせんべいを食べ始めたらなかなかやめられない人も、 慣性が大きな人です。 重たいものほど動き出しにくく、 また止まりにくいので、 そのときにはより大きな力を必要とします。
「 拡張された慣性の概念 」を「 元来の慣性の概念 」と区別するために、 私は、「 拡張された慣性の概念 」を「 慣性度 」と言っています。「 慣性度 」は質量と同等ですから、 ニュートンの運動方程式より、
ということになります。-
物理学で言う仕事とは、 移動を妨げようとする力に抵抗しながら物質を移動させることであり、 それは
で表されます。
ではありません。
コメント :正確に言うと、 仕事は、 力 を 変位( 距離と方向 を持つ )
で積分したもの、 つまり、 力 と 微小変位 の内積を取ったもの
の総和で、 次の式で表されます。 仕事はスカラーです。

正確に言うと、 力積は、 力 を 時間 で積分したもので、 運動
量の変化を表し、 次の式で表されます。 力積はベクトルです。

家の壁を思いっきり30秒間押し続けたときの仕事について考えてみましょう。 もちろん家はびくともしません。 結局、 壁には力が働かなかったとみなされます。 そのために移動距離は
であり、 人が家にした仕事は
であり、 人が家に渡したエネルギーは
です。 この場合、 壁を押し続けた人は化学エネルギーを熱エネルギーに変換し、 その熱エネルギーを体外に放出したわけで、 その人は持っていたエネルギーを少し消費したことになります。 また、 家を移動させるという仕事の効率は0%であったと言います。 仕事の効率は、
とは違います。-
エネルギーとは仕事をする能力のことです。 エネルギーも仕事も同じ単位
です。 仕事の効率が100%のときには、
になります。 仕事をされた物質は、 仕事をされる間に摩擦熱で失われたエネルギーを差し引いた分だけ位置エネルギーを増すことになります。エネルギーにはいろんな姿があり、 エネルギーはその姿を変えていくのですが、 総エネルギー量は一定のままです。 エネルギーは、 空相、 不生不滅、 不垢不浄、 不増不減 です。
一般的なエネルギーの分類方法 :
力学的エネルギー ( 運動エネルギー と 位置エネルギー )
化学エネルギー
核エネルギー
熱エネルギー
電気エネルギー
電磁波エネルギー
相対論的なエネルギーの分類方法 :
位置的エネルギー
質量的エネルギー ( 静止質量エネルギー と 相対論的運動エネルギー )
* 静止質量エネルギーを構成しているのは、 次のエネルギーです。
化学エネルギー 熱エネルギー
核エネルギー
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