腕時計は、 1906年に、 飛行船の運転手が運転しながら時刻がすぐに見られるようにと、 オーダーメードしたのが始まりだそうです。 それまでは、 懐中時計が主流でした。 スイスでは、 16世紀から時計づくりが行われていたそうです。 1969年 ( 昭和44年 ) に、 日本の服部時計店( 現在のセイコー )が、 世界初のクオーツ式腕時計を発表し、 それまでの機械式腕時計の、 日誤差
という記録を、 日誤差
という圧倒的に優れた記録に塗り替えました。機械式腕時計のしくみは、「 ゼンマイによる持続的回転作用 」と「 テンプ−ガンギ車系によるエスケープメント 」の2つからなります。
ゼンマイを格納した歯車は「 香箱車 」と言われ、 ゼンマイの解ける力によって一方方向に回転します。 時計から外された香箱車のゼンマイを巻いて回転させても、 そのスピードは一定ではありません。 香箱車の回転は、 分針を担う2番歯車に伝わり、 それが3番歯車を介して秒針を担う4番歯車に伝わります。 さらに、 4番歯車はガンギ車という歯車に連結しています。 ガンギ車の力をテンプに伝えるとともに、 ガンギ車の回転を一時的にストップさせるのが、 アンクルです。 アンクルの力によって一時的にバネの位置エネルギーを増して、 それをすぐに運動エネルギーに変化させているのが、 テンプです。 ペースメーカーとなるテンプの本体は 髭ゼンマイ です。 髭ゼンマイはアンクルからの力の作用によって巻かれると、 すぐに解けて回転の運動エネルギーに変化します。 これは一様な重力場の中で完全弾性衝突によってバウンドを繰り返すボールのようなものです。 髭ゼンマイが1秒間に5〜10回の伸び縮みをすることによって、 テンプは一定の周期で往復回転運動をします。 この振動数が多いほど正確な時を刻むことができます。 この文章だけではわかりにくと思いますので、 詳しく知りたい方は、 KAWAI, Teruaki さん の サイト「 TOKEI ZANMAI - 時計三昧 - 」の中の http://www.tokeizanmai.com/escapement.html のページをご覧になることをお勧めいたします。
< エスケープメント モデル >

蒸気の一部がシリンジの上蓋を押し上げて外に出る。 すると上蓋の上に乗っている重りが跳ね上がる。 と同時にシリンジの下蓋が蒸気の出口を内側から塞ぐ。 重りが落ちてきて上蓋に当たる。 と同時にシリンジが瞬間的に下げられて今度は上蓋が蒸気の出口を外側から塞ぐ。 蒸気の一部がシリンジの上蓋を押し上げて外に出る。 すると上蓋に乗っている重りが ・ ・ ・ ・ ・ 。 こうして、 一定のリズムで周期的に一定量の蒸気が外に排出されます。
このようなエスケープメントモデルを作ったときに、 跳ね上がる重りはテンプの髭ゼンマイに相当し、 シリンジはアンクルに相当し、 排出される蒸気は香箱車によって回転させられるガンギ車の回転に相当します。
クオーツとは水晶のことです。 水晶は「 逆圧電効果 」と「 圧電効果 」を非常に受けやすい結晶です。 クオーツ時計のしくみはこうです。 水晶に電圧を加えると、「 逆圧電効果 」と「 圧電効果 」のいたちごっごによって、 水晶が固有の振動数で振動します。 そのときにその空間振動と同じ振動数の電気振動が発生します。 クオーツ時計に使われる音叉形の人工水晶は、 電圧を加えると 毎秒 32768( 2の15乗 ) 回 の電気振動を発生します。 それをICU回路で毎秒一回の振動に減らし、 モーターに1秒間に1回の瞬間的な電流が流れるようにします。 するとモーターの回転子は1秒ごとに一定の角度回転します。 それで、 歯数60個の歯車の歯を1つ送るようにします。 これが秒針を担う歯車になります。
コメント :
圧電効果 : 結晶を変形させると電圧が生じること。
逆圧電効果 : 結晶に電圧をかけると結晶が変形すること。
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