行列の積は掛け算ではない
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2026.04.12
関数の合成: \( g\left(f\left(x\right)\right) \) は、 関数の積: \( g\left(x\right)f\left(x\right)\) とは違います。
関数の合成は交換法則が成り立ちませんが、関数の積は交換法則が成り立ちます。
行列の積といいますが、行列は関数であるとの見方からすると、行列の積という言い方は中止して、行列の合成と言うほうがいいのではなかと思います。
このように行列の合成という見方もありますが、もう一つ別の見方もあります。2行2列の行列の積を表す次のような式があります。
C = BA
B行列はテンソル( 関数 )で、C行列とA行列は、それぞれに2つの原点を始点とする2次元ベクトルの組み合わせ( ベクペア )であるとの視点からすると、右辺の BA は、行列Bを行列Aに掛けたのではなく、行列Aに対して行列Bを作用させて演算を施したことになります。
なお、ベクトル( ax , ay ) と ベクトル( bx , by ) とのベクペアは次のように表されます。

次の式の左辺の行列はベクペアで、右辺の左側の行列はテンソルで、右辺の右側の行列はベクペアです。

いずれにせよ、行列の積は掛け算ではありません。