期待値のパラドックス( 面積編 )
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2025.09.10


【 問 題 1 】 【 解 答 】 【 問 題 2 】 【 解 答 】  ここで次のような疑問が生じます。【 問題1 】も【 問題2 】も「 面積が 100 cm2 〜 400 cm2 の正方形の中から無作為に1つの正方形を選んだとき、面積の期待値を求めよ。」という問題なのだが、答えが異なるってどういうこと? どちらかが間違っているの? いいえ、2つの問題の答えはどちらも間違っていませんよ。この不思議さを解消するために次の問題へ進んでください。

    参考: ばいおりんの日常的物理学文集 > 錯覚と物理学 > 食い違う長さと面積の平均値

【 問 題 3 】 【 解 答 】
@ の求め方: A の求め方: D の求め方: C の求め方:  正解はというと、正方形を平等に無作為に選んだ方、つまり、面積を依りに選択する方法の 一辺の長さの平均( C ) と 面積の平均( D )です。 疑問その1 と 疑問その2 への答えは、「 一辺の長さを依りに選択する方法は、面積の小さい正方形ほど選ばれる確率が少し大きなっていて、真の意味での無作為な選択になっていないから。」です。

 では、どうして C < E なのでしょうか? この点が本当のパラドックスです。疑問その4について考えていきましょう。

 まず、2つの正方形で考えましょう。まず、一辺の長さが 1 m と 3 m の正方形で。 一辺の長さの平均は 2 m です。面積の平均は 5 m2 です。面積の平均の正の平方根は約 2.24 です。 2 < 2.24 です。次に、一辺の長さが 3 m と 5 m の正方形で。 一辺の長さの平均は 4 m です。面積の平均は 17 m2 です。面積の平均の正の平方根は約 4.12 です。 4 < 4.12 です。このように、2つの正方形の場合、面積の平均の正の平方根の方が一辺の長さの平均よりも必ず大きくなっています。それは、次の命題が真であることを証明することによって理解することができます。
   
   ( 証 明 )
      
                 
      
      

 このようにしてみると、C < E は当たり前のように思えてきます。いくら標本数を増やしても C < E は変わらないのです。したがって、 C = E でなくて当たり前ということになります。

 ※ 参照:
    大学生のための数学 > 数理論 > 連続する自然数の和の平均 と 連続する自然数の2乗の和の平均の正の平方根
    大学生のための数学 > JavaScriptJavaScript_シミュレーション > 地球儀の1点を選んだときの緯度の確率