シャープ と フラット の 音程
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2012.10.05


  NHKのTV番組を見た。 綾戸智恵が日本のジャズの発祥地である神戸のライブハウスを紹介していた。 今度の学会のときに是非行こうと決めた。 いよいよ学会初日の夜、 神戸在住の娘を誘い、 30年ぶりに北野阪の 「 ソネ 」 でジャズの生演奏を聴いた。 ピアノ、 ベース、 ドラム、 ボーカル のカルテットだった。 期待通りの素晴らしい演奏だった。 体全体を使っての演奏が印象的であった。 そういえば、 神戸では和風居酒屋でもジャズをBGMにしているところが多く、 それが結構店の雰囲気に合っていて落ち着くのである。

  さて、 ジャズのリズムはフォービートで、 1拍目と3拍目がやや長くて、 2拍目と4拍目がやや強いらしい。 また、 音階は 「 ブルーノートスケール 」 を採用しているものが多いそうだ。 それは、 普通の長音階に ミ と ソ と シ のフラットの音が加わったものとのこと。 ということは、 それは、 普通の長音階に レ と ファ と ラ のシャープの音が加わったものであるとも言える。 だが、 たしかに平均律ではそう言えるが、 純正調音階では間違いなのである。 つまり、 純正調では #フ と ♭ソ とは異なる音なのである。 ド の音の振動数比を 24 とすると、 音階の振動数比は次のようになる。
そして、 シャープ や フラット が付いた音の振動数比は、 次のようになる。
    
それは次の理由による。
    

  では、 シャープ と フラットの振動数の関係の根拠は何なのでしょうか?

  それは、 長調の ドミソ の和音の振動数比が 2 : 2.5 : 3 であり、 短調の ラドミ の和音の振動数比が 2 : 2.4 : 3 であることに由来します。 長調の Tの和音 ドミソ の振動数比が 20:25:30 であるのに対して、 短調の Tの和音 ラドミ の振動数比は 20:24:30 になっています。 短調の和音は長調の和音に比べて中間音 ( 和音の真ん中の音 ) が 24/25 倍振動数が小さくなっています。

  長調の ドミソ の和音の代わりに ド♭ミソ を持ってくると、 それは振動数比からして短調の ラドミ の和音になります。 ( 2 : 2.5×24/25 : 3 =→ 2 : 2.4 : 3 )
  短調の ラドミ の和音の代わりに ラ♯ドミ を持ってくると、 それは振動数比からして長調の ドミソ の和音になります。 ( 2 : 2.4×25/24 : 3 =→ 2 : 2.5 : 3 )

   長調 T の和音 ( ドミソ ) の真ん中の音は ミ
   長調 W の和音 ( ファラド ) の真ん中の音は ラ
   長調 X の和音 ( ソシレ ) の真ん中の音は シ

   短調 T の和音 ( ラドミ ) の真ん中の音は ド
   短調 W の和音 ( レファラ ) の真ん中の音は ファ
   短調 X の和音 ( ミソシ ) の真ん中の音は ソ

  したがって、 長調の曲の中には、 ミ と ラ と シ の音に途中で ♭ が付けられて短調になっていることもあれば、 短調の曲の中には、 ド と ファ と ソ の音に途中で ♯ が付けられて長調になっていることもあります。