太陽が光を放つメカニズムは、 核融合によるものです。 4個の水素原子核から1個のヘリウム原子核ができる核融合です。
水素の原子核 = 陽子
重水素の原子核 = 陽子 + 中性子
ヘリウム3 の原子核 = 2×陽子 + 中性子
ヘリウム4 の原子核 = 2×陽子 + 2×中性子
2 ×( 2×水素の原子核 ) → 2 ×( 重水素の原子核 + 陽電子 + ニュートリノ )
2 ×( 陽電子 + 電子 ) → 2 ×( 2×ガンマ線光子 )
2 ×( 水素の原子核 + 重水素の原子核 ) → 2 ×( ヘリウム3 の原子核 + ガンマ線光子 )
2 × ヘリウム3 の原子核 → ヘリウム4 の原子核 + 2 × 水素の原子核
これら4つの式の辺々の総和をとると、 次の、 太陽で起こっている核融合の式になります。
4×水素の原子核 + 2×電子 → ヘリウム4 の原子核 + 2×ニュートリノ + 6×ガンマ線光子

ヘリウムの原子核は、 陽子2個 と 中性子2個 からなります。 したがって、ヘリウム原子核1個 の質量は
のはずです。 しかし、 実際にヘリウム原子核の質量を測定しますと
なのです。 ということは、 陽子2個 と 中性子2個 が結合したヘリウム原子核の質量は、 陽子2個の質量 と 中性子2個の質量 の和よりも
だけ軽いことになります。 いったいこれはどうしたことでしょうか?原子核を構成する陽子と中性子は核力という強い力で結合しています。 それを担っているのが、 湯川博士が思考実験で発見した( 後になって実物が発見されます。) 中間子です。 核力の大きさは負の値をとる位置エネルギーで表されます。 陽子と中性子が結合していないときは位置エネルギーは 0 で、 陽子と中性子の結合が強くなるにつれて負の値をとる位置エネルギーは小さくなり、 その絶対値は大きくなっていきます。 位置エネルギーの絶対値のことを 核エネルギー といいます。 核力がさらに強くなり位置エネルギーの絶対値が大きくなるときには、 そのぶんのエネルギーが核エネルギーとして放出されます。
原子核には、 他の原子核や粒子と衝突すると、 さらに陽子と中性子の結合力の大きい状態( 負の値をとる位置エネルギーの小さいところ )へ向かおうとする性質があります。 それは、 原子核がなるべくバラバラになりにくい安定した状態に向かおうとする性質です。 それは、 核癒合 によって達成されることもあるし、 逆に 核分裂 によって達成されることもあります。 前者の例は、 水素原子が核融合してヘリウム原子になることです。 後者の例は、 ウラン235 が核分裂して、 ヨウ素131 や ストロンチウム90 などになることです。
いずれにせよこれらの反応は、 核エネルギーを放出しますので、 そのエネルギーぶんの静止質量が減少します。 これは、 アインシュタインが相対性理論で明らかにした、「 質量とエネルギーの等価性 」の実証です。
質量欠損( Mass defect ):
一般に原子核
の質量は、 これを構成する
個 の陽子( 質量
)と
個 の中性子( 質量
)の質量の総和
よりは小さく、 その質量差のことを 質量欠損 という。 質量欠損は 原子核の結合エネルギー に等しい。
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