相対性芸術論
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2018.11.04_____


  観察される物 と 観察する者 があって初めて、 物理学的な現象があります。 物理学的な現象の内容は、 観察される物が同じであっても、 観察者が異なれば違ってきます。 たとえば、 A君に対して移動しているB君が、 A君に対して静止している物質を観察すると、 その物質は運動しています。 観察される物が同じであっても、 物理学的現象は観察者の数だけ存在します。 物理学的現象が成立するためには、 観察される物 と 観察する者 とが相対すること ( あいたいすること ) が必要条件なのです。 相対性理論の根本的な考え方はここにあります。

  バロックに次ぐ古典派初期の音楽家には、「 交響楽の父 」 と言われた ハイドン と モーツァルト がいます。 彼らの交響楽は 「 絶対音楽 」 と言われています。 それは、 音楽にメッセージ性がなく、 リズムとメロディーと和声を純粋に楽しむためだったからです。 当時の彼らが提供した音楽は、 極端に言うと貴族たちの社交の手段にしかすぎなかったです。

  それを芸術的な領域まで発展させたのがべートンベンです。 彼は音楽を相対化させたのです。 芸術とは相対的な活動です。 芸術家と鑑賞者とが相対する ( あいたいする ) 活動です。 何のためにか? それは、 感覚的で精神的な内的体験を与えたり得たりするためです。 じゃあ、 べートンベンの交響楽は「 相対音楽 」 と言われるかといえば、 そうではありません。 べートンベンの交響楽も 「 絶対音楽 」 です。 「 絶対音楽 」 の対語は 「 表題音楽 」 です。 「 表題音楽 」 の創始者はベートーベンの第9の後に現れた 「 幻想交響曲 」 のベルリオーズであるとされています。