(0) 新恩赦問題
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A、B、C という3人の囚人がいて、 近々3人とも同時に死刑執行されることになっていた。 しかし、 恩赦が出て1人だけ助かることになった。 誰が助かるのかはすぐに抽選で決まったけれど公表されなかった。 それぞれの囚人は 「 自分は助かるのか?」 と聞いたが看守は答えない。 そこで囚人Aは看守にこう頼んだ。 「 じゃあ、 私以外の1人だけでいいから死刑になるやつを教えてくれ。」 すると、 看守は 「 囚人Bは死刑になる。」 と教えてくれた。 このことを盗み聞きしていた囚人Cは 「 しめしめ、 これで助かる確率が 1/3 から 1/2 に増えた。」 と喜んだ。 はたして、 囚人Cの考え方は正しいのか?
解 答 :
答えは 「 正しくない。」 である。 囚人Cは喜ぶのはいいのだが助かる期待度が間違っている。
囚人Cにとっては、 囚人B と 囚人C のうち囚人Bが死刑になることが明らかにされたので、 囚人B以外に死刑になるのは、囚人Aである確率が 1/2、 囚人Cである確率が 1/2 となって、 助かる確率が 1/3 から 1/2 に増えると考えられる方も多いと思うが、 実際は 2/3 に増えているのである。 その理由を次に述べる。
もし、 囚人Aに恩赦が出ていた場合 ( 1/3 の確率 )、 看守が囚人Bの名前を言う確率は 1/2 であり、 全体的にはそれらをかけて 1/6 の確率となる。 また、 囚人Cに恩赦が出ていた場合 ( 1/3 の確率 )、 看守が囚人Bの名前を言う確率は 100% であり、 全体的にはそれらをかけて 1/3 の確率となる。 したがって、 囚人Cが盗み聞きをした後の囚人Cに恩赦が出ている確率は 1/3 ÷( 1/6 + 1/3 ) = 2/3 なのである。
最後の式が難しいと思う。 これは 「 条件付き確率 」 とか 「 ベイズの理論 」 とか言われている確率の公式である。 割られる( 1/3 )は、 囚人Cに恩赦がでていて かつ 看守が囚人Bの名前を言う確率である。 割るほうの( 1/6 + 1/3 )は、 看守が囚人Bの名前を言う確率である。 囚人Cが盗み聞きをする前の囚人Cに恩赦がでている確率よりも、 囚人Cが盗み聞きをした後の囚人Cに恩赦がでている確率のほうが高くなっている。 確率は情報によって変動するものなのである。
ベイズ理論 :
看守がBは死刑になると言う 看守がCは死刑になると言う
囚人Cが恩赦うける 1 / 3 0
囚人Aが恩赦うける 1 / 6 1 / 6
囚人Bが恩赦うける 0 1 / 3
計 1 / 2 1 / 2
盗み聞きした囚人C は、 自分に恩赦が出ていた確率をいくらと読めばいいのか?
シミュレーションプログラムを作って10万回試行してみました。
プログラムの内容 :
(2) 恩赦問題( 有名な問題である )
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A、B、C という3人の囚人がいて、 近々3人とも同時に死刑執行されることになっていた。 しかし、 恩赦が出て1人だけ助かることになった。 誰が助かるのかはすぐに抽選で決まったけれど公表されなかった。 それぞれの囚人は 「 自分は助かるのか?」 と聞いたが看守は答えない。 そこで囚人Aは看守にこう頼んだ。 「 じゃあ、 私以外の1人だけでいいから死刑になるやつを教えてくれ。」 すると、 看守は 「 囚人Bは死刑になる。」 と教えてくれた。 それを聞いた囚人Aは 「 しめしめ、 これで助かる確率が 1/3 から 1/2 に増えた。」 と喜んだ。 はたして、 囚人Aの考え方は正しいのか?
解 答 :
答えは 「 正しくない。」 である。 囚人Aは喜べないのに喜んでいる。
囚人Aの助かる確率は 1/3 のままである。 なぜなら、 囚人Aに恩赦が出ていようがいまいが、 囚人B または 囚人C が死刑になる確率は 100% なので、 看守は 100% の確率で 囚人B または 囚人C の名前を言うのであるから、 したがってそれは、 囚人Aにとっては、 自分に恩赦が出ているかどうかを占う情報には全くなっていないのである。 これは 「 モンティホール問題 」 と同じような問題である。この手の問題は、いわば「 詐欺的追加調査( 実際には追加調査していない )による確率の不変 」を取り扱ったものであり、「ベイズの定理」の対象外となる。
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A、B、C という3人の囚人がいて、 近々3人とも同時に死刑執行されることになっていた。 しかし、 恩赦が出て1人だけ助かることになった。 誰が助かるのかはすぐに抽選で決まったけれど公表されなかった。 それぞれの囚人は 「 自分は助かるのか?」 と聞いたが看守は答えない。 そこで囚人Aは看守にこう頼んだ。 「 じゃあ、 囚人Bが死刑になるかどうかだけでもいいから教えてくれ。」 すると、 看守は 「 囚人Bは死刑になる。」 と教えてくれた。 それを聞いた囚人Aは 「 しめしめ、 これで助かる確率が 1/3 から 1/2 に増えた。」 と喜んだ。 はたして、 囚人Aの考え方は正しいのか? また、 このことを盗み聞きしていた囚人Cは 「 しめしめ、 これで助かる確率が 1/3 から 1/2 に増えた。」 と喜んだ。 はたして、 囚人Cの考え方は正しいのか?
解 答 :
そのとおり。 正しい。
この問題は、いわば「 追加調査による確率の変動 」である。
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