(1) 写像と座標変換の違い
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写像では変換前と変換後の2つのベクトルが存在しますが、 座標変換で存在するのは1つのベクトルだけです。 写像はベクトルの変換ですが、 座標変換はベクトルの表現方法の変換です。 言い換えると、 写像は1人の観察者におけるベクトルの変換ですが、 座標変換は2人の観察者におけるベクトルのイメージの変換です。
座標変換では、 変換前と変換後に2つの基底が存在します。 基底とは、 単位ベクトルたちの順列です。 座標変換の本質は基底の変換です。 写像はベクトルの変換ですが、 座標変換は基底の変換です。
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相対性理論によりますと、 被観察物質に対して静止している第0観察者の基底 と 移動している第1観察者の基底 とは異なります。 相対性理論の基本となるローレンツ変換は、 第1観察者の座標系 から 第0観察者の座標系 への変換であるとします。 第0観察者の基底を第0基底とし、 第1観察者の基底を第1基底とします。 第0基底は、 第1基底に比べてその大きさが異なることはもちろんですが、 基底を構成する単位ベクトルたちの一部が直交していません。 移動とは相対的な現象ですから、 Aさんに対してBさんが移動しているときには、 Bさんに対してAさんも移動しています。 したがって、 Bさんを被観察物質とするときは、 AさんからBさんへの座標変換は、 第1基底から第0基底への変換であり、 かつ、 BさんからAさんへの座標変換は、 第0基底から第1基底への変換です。 また、 Aさんを被観察物質とするときは、 BさんからAさんへの座標変換は、 第1基底から第0基底への変換であり、 かつ、 AさんからBさんへの座標変換は、 第0基底から第1基底への変換です。 これは矛盾です。 なぜ矛盾しているのか解るためには、 AさんとBさんを被観察物質とし、AさんとBさんが同じ速さで移動しているとする新たな観察者Cを登場させたときのことをイメージすればいいでしょう。 その上で、 座標変換によって被観察物質の活動スピード( 老化速度など ) が変化するという相対性理論の定理を思い出せばいいのです。
この矛盾を解決するためには、 次のような考え方をするしかありません。
「 第1基底は第1観察者の座標系の現実的な基底なのですが、 第0基底は、 第0観察者の座標系の現実的な基底ではなくて、 第1観察者がイメージする第0観察者の座標系の基底なのです。」
第1観察者の座標系の現実的な基底 と 第1観察者がイメージする第0観察者の座標系の基底。 それらに基づく2つの座標表現を比べて、 それを、 第1観察者の座標系と第0観察者の座標系とを比べているのだと勘違いしているのが、 現在の相対性理論です。 その上、 現在の相対性理論は、 第1観察者の座標系の現実的な基底に基づく座標表現 と 第1観察者がイメージする第0観察者の座標系の基底に基づく座標表現 とを比べるときに、「 4次元時空間の構成要素としての時間( いわゆる固有時間 )」を等しくさせてから「 4次元時空間距離としての時間( いわゆる時間 )」の大きさを比べますので、 座標変換によって時間の大きさが変化することになります。 だったら逆に、「 4次元時空間距離としての時間( いわゆる時間 )」を等しくさせてから「 4次元時空間の構成要素としての時間( 相対時間 )」の大きさを比べるというのはいかがでしょうか。
コメント :
アインシュタインの特殊相対性理論の基本となる式は次のようになっています。

これは、 ( 時間 )2 = ( 移動空間 )2 + ( 固有時間 )2 と書くことができます。
さらに、 座標変換不変 = ( 時間 )2 = ( 移動空間 )2 + ( 移動時間 )2 とするの
はいかかでしょうか? アインシュタインは「 4次元時空間の構成要素としての時間 」
と「 4次元時空間距離としての時間 」との取り違えをしているように思うからです。
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