衝突による破壊
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2016.02.14


  衝突時に剛体物質が破壊されないためには、 2つの物理学的方法があります。

  その1つ目は、 完全弾性衝突 に近い衝突であるということです。 完全弾性衝突では衝突前後で力学的エネル―が保存されます。 ということは、 物質の破壊のためにエネルギーが使われなかったことを意味します。 完全弾性衝突に近い衝突が起こる必要条件としては、 衝突の前後で加速度運動が起こっていないことがあります。 しかし、 完全弾性衝突に近い衝突を人為的に作ることは困難です。 バッターの打った打球がピッチャーに当たったけれども大きく跳ね返ったので、 きっとピッチャーはたいした怪我をしていないのだろうと、 結果的に考える事ができるだけです。

  2つ目は、 接触時間の長い 完全非弾性衝突 に近い衝突であるということです。 接触時間が長いということは、 運動量の変化 つまり 力積 が同じでも、 接触時に作用する 力( 衝力 )が比較的小さいということです。 したがって物質が破壊されにくいのです。 この衝突はある程度人工的に作ることができます。 たとえば、 1つ目の例として、 衝突接触面に衝撃吸収低反発ウレタンマットを取り付けることがあります。 2つ目の例としては、 一流プロサッカー選手による高速パスのキャッチがあります。

  とどのつまり私の言いたいことは、 衝突によって物質が破壊される直接的な原因は、 エネルギー や 運動量 の大きさではなくて、 物質の耐久性を超える 力 の大きさであるということです。

 ※ 参照: 大学生のための物理学 > 力学 > 衝撃の程度を表す衝突重量力