特殊相対性理論によると、移動している空間は移動方向に収縮していますし、移動している物質に宿る時間はゆっくりと経過しています。そのことを、「特殊相対性理論によると、移動している慣性系の空間も時間も収縮しています。」と表現するのは間違いで、「特殊相対性理論によると、移動している慣性系の空間は収縮し時間は伸展しています。」が正解です。 誤解が生じないためにも、「時間が伸展する」という言葉は使わないで、「時間がゆっくりと経過する」という言葉を用いるべきです。
* ローレンツ変換式を簡単にするため、光の速さを 1 とする単位系で考えます。
第1観察者とは、移動している空間や物質を観察している人のことです。
第0観察者とは、静止している空間や物質を観察している人のことです。
ローレンツ変換とは、第1観察者から第0観察者への座標変換です。
「空」や「時」の長さを考えるときは 「微小ローレンツ変換」を考えます。

(1) 第1観察者からすると「移動している空間は移動方向に収縮している」と言える。その理由は?


* v は 移動している空間や物質の速さです。
したがって、第1観察者にとっての移動している空間Aの 1 m は、第0観察者にとっての静止している空間Aの 1 m よりも小さい。よって、移動していると見られるときの空間は、静止していると見られるときの空間よりも移動方向に収縮している。つまり、移動している空間は収縮している。
(2) 第1観察者からすると「移動している物質に固有な時間はゆっくりと経過している」と言える。その理由は?


したがって、第1観察者にとっての移動している物質Aが経過する 1 秒間 は、第0観察者にとっての静止している物質Aに固有な時間の 1 秒間 よりも大きい。つまり、移動していると見られるときの物質に宿る時間は、静止していると見られるときの物質に宿る時間よりも伸展している。ということは、 1 秒間ごとに拍動する心臓は、静止していると見られるときよりも移動していると見られるときの方がゆっくりと拍動していることになる。よって、移動している物質の時間はゆっくりと経過している。
(3) 「移動している物質に宿る時間は縮む。」と間違ってしまう。その理由は?


したがって、第1観察者にとっての移動している物質Aが経過する 1 秒間 は、第0観察者にとっての静止している物質Aに固有な時間の 1 秒間 よりも小さい。つまり、移動していると見られるときの物質に宿る時間は、静止していると見られるときの物質に宿る時間よりも収縮している。ということは、たとえば、移動していると見られるときの物質が経過する時間が 0.8 秒で、静止していると見られるときの物質が経過する時間が 1 秒 というようなことになっているということである。よって、移動している物質の時間はゆっくりと経過している。
* 下線の部分は間違った解釈です。