只今の観察座標系
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2021.12.18_____
様々な方向に等速直線運動をしている多数の点状慣性系を観察しています。
アインシュタインの特殊相対性理論の4次元時空間座標系は、観察開始時空点が原点となっており、その観察座標系の中を、さまざまな点状慣性系が時の経過につれて時間軸をも独自一定の速さで移動していきます。これはどういうことかと申しますと、「観察開始時点」が最優先の観察内容になっているということです。観察開始後、時が経るにつれ、観察開始時点はどんどん過去のものになっていくのですが、それでもずっとそれが最優先されるので、過去の人間の観察内容が座標系に記されていくことになります。しかし、それでは現実の観察にはならず机上の観察と言われてもしかたありません。
これに対しニュートン力学の座標系は現実的です。現実の観察座標系は、常に「只今の観察座標系」なのです。只今、無限に広がる3次元空間があり、その一部分を宇宙が占めています。宇宙空間と座標系空間は区別されなければなりません。もちろん現実の観察者が実際に観察可能なのは過去の情報でしかありません。それでも、観察座標系は只今の瞬間において無限に広がる3次元空間なのです。
実際の観察では、観察座標系の空間移動は相対的な被観察物質の空間移動として現れます。したがって、被観察物質の空間移動は、実際の被観察物質自体の空間移動 に「観察座標系の空間移動による相対的な空間移動」を加えたものになっています。これは空間についてですが、時間についてはその中を万物が普遍的に不変のスピードで移動しているので、実際の被観察物質の絶対的な時間移動に「観察座標系の時間移動による相対的な時間移動」を加えたものは0になっており、時間を移動していないことになります。
したがって、観察者座標系は瞬間的連続的に無限大の数で絶えず入れ替わっているにも関わらず、時間軸のない不変の3次元空間として現れるのです。時間は点状慣性系の3次元空間位置の媒介変数です。それぞれの時間ごとに観察座標系が存在します。これらを時間的に連続して入れ替えていくと、時間軸のない不変の3次元空間座標系の中でさまざまな点状慣性系が独自一定の速さで移動していきます。