(1) 物理量単位 と 非物理量単位
-
物理量単位の代表は「
」であり、 非物理量単位の代表は「 個 」です。 物理量単位は具体的であり、 非物理量単位は、 円 や ラジアン を除いて一般に抽象的です。 物理量単位は具体的なものですから、 物理学では単位を含んだ等式が用いられます。 このとき、 非物理量単位は「 無単位 」であり「 無次元 」であるとみなされます。「 4人のお友達が、 それぞれビー玉を10個ずつ持っています。 ビー玉は全部で何個あるでしょうか?」 この答えを導き出すための式は、 数学の式を使います。

この数学の式を解説すると、 次のようになります。
「 10個を4倍すると、 40個になる。 この問題においては、 人は単位ではない。」
「
の大きさの重力場が存在する点に質量
の物質が存在するとき、 この物質に作用する重力の大きさを求めなさい。」 この答えを導き出すためには、 物理学の式を使います。
この物理学の式を解説すると次のようになります。
「 質量
に
の大きさの重力場をかけるという演算をすると、
の大きさの力 が得られる。 物理学では式の意味を大切にする。」「 質量
の物質に
の力を加え続けると、 その物質はどれくらいの大きさの加速度で移動するでしょうか?」 この答えを導き出すためには、 物理学の式を使います。
この物理学の式を解説すると次のようになります。
「
という変位のしやすさを表す物理量に、
の大きさの力をかけるという演算をすると、
の大きさの加速度 が得られる。」物理学の式には、 必ず単位が含まれます。 その例を3つ挙げます。
同質単位変換
速さ : 変位( 移動空間 )を 経過( 移動時間 )で割る
エネルギー( 仕事 ): 力を変位で積分する( 次の例は力が一定の場合 )
角度の単位は非物理量単位ですが、 具体的です。 角度の単位は、 物理量単位に近いので、 補助単位と言われます。 扇形の中心角は、 弧の長さの半径に対する比率で表されます( 弧度法 )。 角度の単位は無次元です。 たとえば、 角速度の単位は
ですが、 角速度の次元は
です。
単位系 と 次元-
物理学の国際単位系は、
単位系 と言われます。 これは、 長さ
、 質量
、 時間
、 電流
、 温度
、 物質量
、 光度
を基本単位とします。 これらの基本単位や補助単位を組み合わせて、 組立単位( ロゴなし )や 組立単位( ロゴあり )が作られます。組立単位( ロゴなし )の例 :
速度

加速度

角速度

組立単位( ロゴあり )の例 :
力

エネルギー

電気量

次元 とは、 補助単位を無次元としたときの、 組立単位を構成している基本単位のことです。 基本単位の ・ ・ ・ −2乗、 −1乗、 1乗、 2乗 ・ ・ ・ は、 それぞれ異なる次元になります。
物理学の公式は、 次の
のように次元を含む等式で表すような習慣をつけておくと、「 次元解析 」という手法によって、 いろんなものが見えてくるようになります。 その例を2つ挙げてみます。例1: 運動方程式





以上のような手順で
に到着するのですが、 逆に、 力の単位を
の右辺のように2つに分解して、「 力とは、 質量に加速度をかけたものである。」または「 力とは、 質量を加速度で積分したものである。」という法則が存在しているのではないか、と予想することができます。例2 : ローレンツ力
クーロン力
狭義の意味でのローレンツ力( 4次元への拡張 )
( 電流
の代わりに電荷量
を基本単位にしています。
)
クーロン力の大きさを表す式
狭義の意味でのローレンツ力の大きさを表す式
クーロン力の定数 と 狭義の意味でのローレンツ力の定数 とを比べてみましょう。 つまり、
と
とをです。 この2つの違いは、 クーロン力の定数の方には
がついていることと、 クーロン力の定数の次元の方が、
だけ多いということです。 ここで、
とは光の速さであることを確認してください。 すると、 次のような疑問というか仮定が浮かんできます。
クーロン力の式に含まれる
は、 本当は、 単なる
ではなくて、
ではないか? とすると、 クーロン力の大きさは、 本当は次の式で表されるのではないか?
こう考えると、 クーロン力 と 狭義の意味でのローレンツ力 とが統一され、 数学的にきれいなローレンツ力の定義式になります。 また、 相対性理論で登場する「 4次元電流 」とも繋がります。
基礎物理学 へ戻る