Y. ヤコビアン



を「 ヤコビ行列( 関数行列 ) 」といい、
で表します。 またヤコビ行列の行列式
を「 ヤコビアン 」といいます。「 ヤコビ行列 」は「 座標変換テンソル 」の表現行列の逆行列です。
は「 基底変換テンソル 」の表現行列と同じですので、
と置くと、 次のようになります。
位置ベクトル
と 位置ベクトル
を 2つの辺とする平行四辺形の面積は、 位置ベクトル
と 位置ベクトル
の外積の大きさで表されます。
このようなヤコビアンの性質より、 ヤコビアンは、 次のように、 面積分における「 変数変換の公式 」に登場してきます。

では、 例題を1つ解いて、 ヤコビアンを理解することにしましょう。
次のような
を表現行列とする「 座標変換テンソル 」により、 時計回りに
回転し基底の大きさが
になった新しい直交座標系へと、 ベクトルは座標変換されます。 このとき、 ヤコビアンはいくらですか?
また、 元の直交座標系において、
の4点からなる正方形の面積を、 ヤコビアンを用いて求めなさい。( 答 )

元の直線座標系における正方形は、 座標変換により
の4点からなる正方形に変換されます。 この面積は
です。 ヤコビアンは
ですから、 この正方形の面積の元の座標系での表示は
になります。 したがって、 求める面積は
です。次に、 曲線座標系について考えてみましょう。 簡略化のために2次元とします。
直交直線座標系:
と 曲線座標系:
があり、 2つの座標系の間で座標の成分に次のような関係があるとき、
点
における曲線座標系の局所基底
は、 直交直線座標系の標準基底
を用いて、 次のように表されます。
と
は 「 接ベクトル 」 です。
これは、 ベクペアを用いて、 次のように書くことができます。

点
において、 曲線座標系を
だけ微小に変位させたときの、 直交直線座標系での位置ベクトルの変位は、 次のようになることが知られています。
このことは、
の逆行列を表現行列とする 「 座標変換テンソル
」 を用いて、 次のように書くことができます。
これから、
がヤコビ行列であることを述べます。


以上のことは、 先ほど述べた
と
と整合性がありますので、 正しいことがわかります。 したがって、
はヤコビ行列です。※ 参考: 大学生のための数学 > 解析学 > ヤコビアンの正体
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