満鉄小唄
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2012.03.03


  満鉄とは、 南満州鉄道株式会社のことで、 日露戦争後の1906年 ( 明治39年 ) に設立され、 1945年( 昭和20年 ) の第二次世界大戦の終結まで満州 ( 中国東北部およびロシア沿海州を含めた北東アジアの特定地域で朝鮮は含まれない ) に存在した、 日本の 鉄道・炭鉱・製鉄 などを経営する会社です。
  「 テロ 」は、 戦前は「 匪賊(ひぞく)」と言われていました。 朝鮮や満州に派遣されていた日本軍は「 匪賊討伐 」と称する「 聖戦 」を展開していました。 そして、 軍歌「 討匪行 」が 1932年(昭和7年) に大ヒットしました。 これは、 民間によって作られた歌謡曲ではなく、 軍によって作られた数少ない軍歌の1つです。 当時の日本を代表するオペラ歌手 藤原義江 が作曲し歌っています。 15番までありますが、 1番と15番を紹介します。

    どこまで続く ぬかるみぞ
    三日二夜を 食もなく
    雨降りしぶく 鉄かぶと

    アジアに国す わが日本
    王師ひとたび ゆくところ
    満蒙の闇 晴れ渡る

朝鮮や満州ではこの替え歌が歌われていました。 それを「 満鉄小唄 」と言います。


  孤独な20歳の誕生日を迎えた翌日、 博物館で行われた市民団体の主催する映画会で、 大島渚の「 日本春歌考 」という得体のしれない映画を見た私は、 在日朝鮮女子高生の歌った歌を採譜して、 その日の日記に書き記していました。 何とも うら悲しいこのメロディーを、 その後バイオリンで 弾きづさむ ことがありました。 それが最近、 これは「 満鉄小唄 」という歌で、 戦前に朝鮮や満州の娼婦や慰安婦が歌っていたことを知りました。 そこで、 TSUTAYA で「 日本春歌考 」のDVDを借りてきて、 映画の中ではどのように歌われているのか調べてみました。 すると、 歌詞はおよそ次のようなものでした。

    あめのしょぽしょぽ ふるぱんに
    からすのまとから のそいてる
    まてつのきぽたの ぱかやろう

    さわるはこちせん みるはたた
    さんえんこちせん くれたなら
    かしゅわのなくまて つきあうわ

    あかるのかえるの とうしゅるの
    はやくせいしん ちめなしゃい
    ちめたらけたもて あかんなしゃい

    おきゃくしゃんこのころ かみたかい
    ちょうぱのてまえも あるてしょう
    こちせんしゅうきを はちみなしゃい

    そしたらわたしは たいてねて
    ふたちもみっちも おまけして
    かしゅわのなくまて ぽぽしゅるわ


歌詞の意味は、 次のようなものです。

    雨のしょぼしょぼ 降る晩に
    ガラスの窓から 覗いてる
    満鉄の金ボタン(制服)の バカやろう

    触るは五十銭 見るはただ
    三円五十銭 くれたなら
    かしわの鳴くまで 付き合うわ

    上るの帰るの どうするの
    早く精神 決めなさい
    決めたらゲタ持って 上がんなさい

    お客さんこの頃 紙高い
    帳場の手前も あるでしょう
    五十銭祝儀を はずみなさい

    そしたら私も 抱いて寝て
    二つも三つも おまけして
    かしわの鳴くまで ぼぼするわ


私が採譜していた「 満鉄小唄 のメロディーは、 次のようなものです。

    

  一方、「 討匪行 」は、 コンピュータ上の簡易楽譜言語である、 Music Macro Language では、 次のように書かれます。 私が採譜していた「 満鉄小唄 」とは若干異なります。

    

                : オクターブ     : テンポ
                 : 音名      8. : 付点8分音符
                 : 1オクターブ上げる

  この楽譜を用いてコンピューターに曲を演奏させるためには、 たとえば、 フリーソフトの TSS Clipborad Player などをダウンロードする必要があります。 いろんな音色で再生したい人や、 MMLで楽譜を書きたい人には、 フリーソフト の テキスト音楽 「 サクラ 」 をお勧めします。

                 満鉄小唄 の MMLファイル ( 別窓 ) へ