( 問題 ) : 次の文たちの間違いを訂正してください。
1. 「 なお、 この列車の東京到着予定時間は、 午後3時33分となっております。」
2. 4℃の水1リットルの重さは、 1kg である。
3. 光の速度は、

である。
4. 重りに紐をつけて回転させていたら、 紐が切れ、 遠心力によって重りが飛んでいった。
5. 電車が急停止したので、 慣性の法則によって、 床の上にあったビー玉が転がった。
6. 等速円運動は、 等速度運動ではなく、 等加速度運動である。
7. 私の時空間では、 1光年離れた所の時刻は、 1年前の時刻である。
8. 太陽からすると地球の移動速度は

で、 月からすると地球の移動速度は

だから、 一般相対性理論によると、 太陽にとっての地球よりも、 月にとっての地球のほうが早く滅亡する。
9. 「 さあ、 お熱を測りましょうね。」
10. プリズムを通過する光の波長によりその屈折率が異なるのは、 振動数の違いによる。
11. 重たい金庫を押しても動かなかった。 それは、 私が金庫に及ぼした力の作用 と 金庫が私に及ぼした力の反作用 が吊り合っていたからである。
12. 国際空港で重たい大きなバッグを一人で吊り上げて運ぶ時に、

もの力がいったが、 今度は2人で吊りあげて運ぶので

の力ですむ。
13. 人間が自然のエネルギーを利用する時に、 化学エネルギー や 核エネルギー や 光エネルギー や 位置エネルギー などを いったん電気エネルギーに変換してから利用することが多い。 それは、 電気エネルギーは比較的安全であり、 貨幣に似て、 移動させたり蓄えたりしやすいからである。
14. 水力発電における位置エネルギーから電気エネルギーへのエネルギー効率は 90% であり、 火力発電における化学エネルギーから電気エネルギーへの熱効率は 40% であり、 I Hクッキングヒーターにおける電気エネルギーから熱エネルギーへの熱効率は 75% であり、 ヒトの骨格筋における化学エネルギーから運動エネルギーへのエネルギー効率は 25% であり、 ヒトの骨格筋における化学エネルギーから物を持ち上げるという仕事への 仕事率 は25%である。
15. 水中で、 円柱に力

をかけて、 円筒の中をゆっくりと水平方向に速さ

で移動させた。 水の抵抗力

は速さの2乗に比例するので、

と表される。 これら2つの力は作用反作用の法則により、

になっている。 ただし、 円柱の進行方向をプラス、 反対方向をマイナスとし、

は負の数とする。
16. プロペラの代表である竹とんぼは、 回転面に対して斜めに接する面を持つ2つの羽根を、 どちらかの方向に回転させることによって、 空気を下方に移動させる。 すると、 その反作用が浮力となり、 竹とんぼは上昇する。
17. 今年は閏年だから、 今年の大晦日は、 今年の正月から366日後である。
18. 滑車の両側に 重りA と 重りB がぶら下げられており、 重りA は 重りB よりも1メートル上方にあって、 滑車は回転していない。 このとき、 重りA よりも 重りB のほうが質量が大きい。
( 答え )
1. 時間

時刻
2. 重さ

質量 または、 1kg

または 1kg重
重さは、 力の大きさを表す物理量です。 重力の大きさを表す物理量です。 重力は質量に重力場の大きさをかけたものです。 地球表面の重力場の大きさは

です。

は重力加速度といわれ、

です。 したがって、 4℃の水1リットルの重さは

です。
3. 速度

速さ
速度はベクトルです。 速さは、 速度の大きさです。
4. 遠心力

慣性の法則
遠心力は、 重りと常に同じ速度で移動している観察者が観察したときに、 重りに作用している力であり、 それは、 重りが紐によって引っ張られている力と向きが反対で大きさが等しいものです。 紐が切れた瞬間に、 遠心力は消滅します。 そして重りは紐が切れた瞬間の速度を保ったまま飛んでいきます。 これは慣性の法則です。
5. 慣性の法則

慣性力
この文章は、 電車の中の人の観察を表しています。 電車の座席に座っている観察者からすると、 ビー玉には慣性力 ( みかけの力 ) がしばらく働き、 ビー玉は加速度運動をします。 もし、 プラットホームに座っている人がこのビー玉の運動を見ることができたとしたら、 それは彼にとっては、 ビー玉は 慣性の法則 によって等速直線運動をすることになります。
6. 等加速度運動

加速度運動
等速円運動は、 加速度の大きさは一定ですが、 加速度の方向が変化しますので、 等加速度運動ではありません。
7. 1年前

今
たしかに、 今私が見ている1光年離れた所の物質は、 1年前の物質です。 しかし、だからといって私の時空間が、 文章のようになっているわけではありません。 光速普遍に代表されるように、 物理学的観察は主観的観察なのですが、 ( 移動しているAさんに対する光の速さという、 客観的観察では物理現象をきちんと記述できないことが、 相対性理論で証明されました。) その意味は認識論的観察とは異なります。
8. 一般相対性理論

特殊相対性理論
それにしても、 この文章は少し変です。 特殊相対性理論の結論の1つである 「 移動する物質はゆっくりと活動する。」 という命題は、 等速直線運動だけをする物質についてのみ保証がありますが、 加速度運動をする物質に対しては ? なのです。

は、 太陽に対する地球の公転速度の大きさで、

は、 地球に対する月の公転速度の大きさです。 確かにこれらの速度の大きさは一定なのですが、 速度の向きが変化しています。 ということは、 これらの地球の相対的移動は加速度運動であるということです。 したがって、 この文章の結論は明らかに間違っていますので、 特殊相対性理論の扱えない範囲を一般相対性理論が補ってくれるはずです。 私は今ここの所を勉強中です。
9. 熱

体温
物質が放散する熱を測るには、 物質を水に沈める前後での水の温度を測ってから増加した水の熱エネルギーを計ります。 体温計は、 体表の温度を測る器具です。
10. 振動数

速さ
真空中では、 光の波長によって光の速さが異なることはありませんが、 液体やガラスの中では、 波長の短い光ほど速さが遅くなります。 そのために波長の短い光ほどプリズムによる屈折率が大きくなって、 太陽光はプリズムによって分光されます。
波の速さ

波長

振動数 です。
11. 金庫が私に及ぼした力の反作用

床が金庫に及ぼした摩擦力の作用
各方面から力の作用を受けている物質が静止している場合、 吊り合っているのは物質に作用している力たちであって、 その物質が他の物質に作用している力は関係ありません。
この場合、 作用反作用の関係になっているのは、 私が金庫に及ぼした力の作用 と 金庫が私に及ぼした力の反作用 、 及び、 金庫が床に及ぼした摩擦力の作用 と 床が金庫に及ぼした摩擦力の反作用 です。
こういう勘違いをしないためには、 常に当事者の立場に立って考える習慣をつけておくことが必要です。 たとえば、 「 AがBに及ぼす力 」 という表現を止め、 「 BがAから受ける力 」 という表現をするようにしておくのもいいと思います。
12.

2人で大きなバッグを吊り上げて歩くときは、 バッグは垂直方向ではなく斜め45度方向に引っ張るので、 力の合成の原理より

よりも大きな力が必要になります。
13. 蓄えたり

集めたり
電気エネルギーは蓄えにくいので、 エネルギーを蓄えるときには、 いったん電気エネルギーを化学エネルギーに変換することが多いです。 たとえば、 バッテリーなど。 売れ残りの商品と同様に、 夜間の電気量は安くなっています。
14. 仕事率

仕事の効率
仕事率とは、 単位時間あたりの仕事のことであり、 その単位はワットです。

熱効率には2つの意味があります。 それは、 熱機関におけるエネルギー効率という意味と、 熱エネルギーへの変換におけるエネルギー効率という意味です。 「 熱効率 」 という言葉に置き換えることのできない 「 エネルギー効率 」 については、 効率が悪いほど、 「 アウトプットされる熱エネルギー の インプットされるエネルギーに対する比率 」 が大きくなります。
15. 作用反作用の法則

運動方程式
作用反作用の関係になっているのは、 円柱が水を押す力 と 水の抵抗力 です。 質問の中の2つの力は、 いずれも円柱が受ける力です。 円柱は等速直線運動していますので、 加速度の大きさはゼロです。 したがって、 運動方程式より、 円柱が受ける力の全ての合力はゼロになります。
運動摩擦力は速さに無関係ですが、 空気や水の抵抗力は速さの2乗に比例します。
16. 浮力

揚力
流体の中に物質が存在するとき、 生じる流体の圧力分布の不均一さのために、 物質の上面にかかる流体の圧力よりも下面にかかる流体の圧力のほうが強くなって、 物質を上向きに変位させようとする力が働きます。 その力が重力に等しいかまたは大きい時、 その力のことを揚力と言います。 揚力とは、 物質と流体に相対的速度が存在するときに発生する力のうち、 流体の流れに垂直方向のもののことを言います。
17. 正月

元旦 366日後

365日後
今年の元旦は、 今年の元旦から0日後であり、 閏年は366日あるからです。
18. 質量が大きい。

質量は等しい。
滑車に働く重量力によって生じる力のモーメントの総和がゼロになっているから、 滑車は回転していないのであり、 それは、 滑車の両側に働く重量力が等しいからであり、 それは、 一様な重力場の下において重りの質量が等しいからです。