空気の層
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2013.02.08


  素材を厚くするよりも中に空気の層を入れることで効率が上がる物の代表には、 2重窓ガラスによる断熱効果 や 2重防音壁による防音効果 があります。 空気の層の圧力は大気圧に等しくてもいいのですが、 真空に近い超低圧であればもっと効果が上がります。

  最近放映されたテレビドラマで、 木村拓哉や中井貴一らの出演による魔法瓶の会社の物語がありました。 大阪の天満に象印マホービン株式会社本社がありますが、 その内に「 まほうびん記念館 」があって、 そこでは魔法瓶の歴史としくみを学ぶことができます。 無料ですが、 予約が必要です。 魔法瓶とは、 熱伝導を小さくする超低圧空気層を備えた水筒のことです。 最近では、 マグカップやコップにも応用されており、 それらを持っても 熱くなく冷たくなく、 中についだコーヒーが冷めにくく、 中についだビールが生ぬるくなりにくくなっています。 魔法瓶は1881年にドイツで誕生し、 日本では明治時代末の1912年に初生産されたそうです。 魔法瓶の内面は鏡面になっていますが、 これは熱放射を防ぐためです。 熱放射とは、 熱エネルギーが電磁波のエネルギーになって放散されることです。

  エントロピー増大の法則があり、 水が位置エネルギーの高い所から低い所へと移動して海という一様な高さの所で一体になるように、 熱エネルギーも温度の高い所から低い所へと移動して一様になろうとします。 その様式には、 熱伝導 と 対流 と 熱放射 の3つあります。 熱伝導を表す物理量は熱流速密度で、 それは 熱を伝える素材 や 素材の温度 や 温度勾配 によって変化します。 熱伝導 は 熱容量( 比熱 × 質量 )とは違います。 熱容量とは、 物質の温度を1度上昇するのに必要な熱エネルギーで、 時間とは関係ありません。 熱伝導とは、 流体力学の範疇に入る物理量で、 時間が関与します。