円筒の両方にピストンがついた道具があります。 ピストンA と ピストンB との距離を
とします。 真空中の光の速さを
とし、 空気中の音の速さを
とします。 ピストンAを押した瞬間から何秒後にピストンBが動き始めるのかを考えてみましょう。
まず、 両方のピストンで挟まれた密閉された空間が真空のときはどうでしょうか。 ピストンAを押してもピストンBは動きません。 ピストンAがピストンBに接触して初めてピストンBが動き始めます。
次に、 両方のピストンで挟まれた密閉された空間が空気で満たされているときはどうでしょうか。 ピストンAを押した瞬間にピストンBが動き始めるのではありません。 ピストンBが動き始めるのは
後です。その次に、 両方のピストンで挟まれた密閉された空間が水で満たされているときはどうでしょうか。 ピストンAを押した瞬間にピストンBが動き始めるのではありません。 ピストンBが動き始めるのは、 空気の場合よりも早いのですが、
後よりも後です。最後に、 両方のピストンで挟まれた密閉された空間が鋼鉄の円柱で満たされているときはどうでしょうか。 ピストンAを押した瞬間にピストンBが動き始めるのではありません。 ピストンBが動き始めるのは、 水の場合よりも早いのですが、
後よりも後です。圧力の伝わる速さの2乗は、 およそ、 媒体の弾性率に比例し、 媒体の密度に反比例すると言われています。
空気中の音の速さはおよそ
であり、 水中では
、 鋼鉄の棒では
です。 真空中の光の速さはおよそ
です。 ピストンAに接している物質の部分に圧力が加わった場合は、 その圧力は音の速さで伝わっていきピストンBに到達します。 したがって、 ピストンAを押した瞬間にピストンBが移動するのではなく、 ピストンAの力は音の速さで媒体を伝わっていきピストンBに伝わるのです。 したがって、 月と地球の距離
の長さの鋼鉄の棒を作って、 月面上の人がツンツンと棒の一端を動かしたとしても、 地球上の人にその動きが伝わるのは、
つまり
後になるのです。 ちなみに月で反射した太陽の光が地球に到達するのは
後です。では、 導線内の電流は瞬時に伝わるのでしょうか。 月と地球の間に導線を張って電気回路を作ります。 地球でスイッチを入れた瞬間に月の豆電球に電流が流れるのでしょうか? 相対性理論によると
かかるというのが答えですが、 抵抗がゼロの導線がないために長い電気回路には強い電圧が必要であり、 そのためまだ実験がされていないようです。
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