TV映像の配信技術
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2012.01.24
CCD という器械がカメラに備わっていて、 撮影と同時にアナログな映像を デジタル信号( 2進数で表される記録伝達手段情報 )に変えます。 デジタル信号は、 ノイズが入っても修正しやすいのが長所です。 なだらかさのない凹凸で形にメリハリがあるからです。 また、 デジタル信号はパターン化しやすいので、 実質情報量を落とさずに記録伝達手段情報量を減らすことが容易であることも長所です。 情報量の単位は、 1 バイト = 8 ビット です。
動画は、 1 秒間に 30 フレームの静止画からなっています。 アニメーションの場合はコマですけれども、 一般の映像の場合はフレームと言います。 2073600 画素 のフルハイビジョンでは、 1 画素( ピクセル )が持っている色の情報量が 24 ビットで、 画素のアドレスの情報量が 22 ビットですので、 1 秒間あたりの映像の情報量は次のようになります。
( 24 + 22 ) × 2073600 × 30 ÷ 8 =→ 357.696 × 106 ≒→ 358 メガバイト
この動画を電波に乗せて送るには、 少しでも軽いほうが便利です。 軽いとは情報量が少ないという意味です。 一般には、 情報量が少ないと画質が悪いのですが、「 ヒトにとっての画質 」を落とさないで情報量を削減する方法があります。 これを 圧縮 といい、 MPEG方式などがあります。 圧縮は、 実質情報削減 と 記録伝達手段情報のコンパクト化 からなります。 ヒトが鈍感なのは「 色彩の時間的変化 」や「 彩度の低い所での 色相の時間的変化 」や「 明度の高い所での 明度の空間的変化 」ですので、 そういうところは、 色の時間的変化 あるいは 色の空間的変化 の「 階段の高さや奥行 」を大きくして実質情報を削減し画質を悪くしたとしても気づかれないはずです。 また、 ヒトの視点は動きのあるものに向かいその周辺はボケた画像として認識される傾向にあります。 そこで、 たとえば、 8 画素 × 8 画素 × 10 フレーム ごとに見ていって、 その区域では数秒間に色の変化がなく、 その間に他の区域では盛んに色の変化が起きているとすれば、 色の変化しない 64 画素ブロックを実質的な 1 画素として実質情報を削減し、 部分的に画質を落としたとしても気づかれないと思います。 このような旨のことを MPEG 方式では採用しているのです。 上手な実質情報削減とは、 気づかれないように、 そして、 記録伝達情報をコンパクト化しやすいようにです。 実質情報量を減らさない記録伝達情報のコンパクト化の方法のモデルには次のようなものがあります。
@ 同じ情報が連続する場合
AAAAAAAAA → A9
A 登場頻度が異なる場合
頻回出場者の背番号は 1 桁、稀な出場者の背番号は 4 桁
TVの場合は、 映像のデータを搬送波という電波に乗せて送ります。 映像のデータを搬送波に乗っけることを 変調 といいます。 情報を搬送波の振幅の微妙な変化に置き換える方式を 振幅変調( Amplitude Modification )といい、 周波数の微妙な変化に置き換える方式を 周波数変調( Frequency Modification )といいます。 ラジオの AM放送 や FM放送 はここから来ています。
搬送電波の周波数が大きく波長が短い電波ほど運べる情報数は多くなります。 また、 電波は 「 空に 昼は4層 夜は3層 になって存在する電離層 」 の境界面で反射することがあります。 周波数が小さく波長の長い電波ほど、 低い境界面で反射します。 反射せずに宇宙まで届く電波は相当に周波数の大きい電波です。 地上デジタル放送に使われている搬送波は 「 極超短波( UHF )」 のうちの最も高い電離層境界面で反射する電波です。 NHK総合放送には、 およそ 周波数 500 メガヘルツ 波長 60 cm の搬送波が使われています。 衛星放送には、 およそ 周波数 12000 メガヘルツ 波長 25 mm の搬送波が使われています。