ギターを使って、 音の「 うなり 」を体験してみましょう。「 うなり 」とは、音高( ピッチ )がわずかに異なる2つの音が鳴っているとき、 周期的に表れる音の強弱のことです。
ギターは、 第6弦( 最も太い弦 )から順に、 解放弦が
の音名になっています。 第
弦 と 第
弦 との振動数の比はおよそ
の関係になっています。 ただし、 第3弦 と 第2弦 との振動数の比だけはおよそ
です。うなりを体験するには、 きちんと調弦されたギターの 第3弦 と 第2弦 以外 の隣り合う2つの弦を選びます。 そしてハーモニックという技法で音を鳴らします。 ハーモニックとは、 左手の指で弦に軽く触れてから右手で弦を弾き、 その直後に左手の指を離すことによって鳴る、 高い神秘的な音のことです。 たとえば、 第6弦 と 第5弦 を選んだとしましょう。 まず、 第6弦のナットから全長の4分の1の所( 5フレットの所 )でハーモニー音を出します。 解放弦の音よりも2オクターブ高い E の音になります。 その直後に、 第5弦のナットから全長の3分の1の所( 7フレットの所 )でハーモニック音を出します。 同じピッチの音になります。 第5弦をわずかに緩めたり張ったりして「 うなり 」の程度を変化させてみてください。 最後は、 第5弦を「 うなり 」のない状態から、 若干張ってわずかに「 うなり 」があるとことろで終了してくだい。 きちんと調弦されたギターに戻してやるのです。



「 うなり 」が消えるところが、 2つの音が全く同じ高さ( ピッチ )になったところです。 こうして、「 うなり 」がないようにギターを調弦していきますと、 きちんとした調弦にはなりません。 なぜなら、 ギターは純正調楽器ではなく、 平均律楽器だからです。 ギターの 第3弦 と 第2弦 以外の隣り合う2つの弦の振動数の比は、
よりも若干比率が大きくなっているのです。 それは、 5度の和音において、 ド の音の振動数比を
とすると、 ソ の音の振動数比は、 純正調は
、 平均律は
になっているからです。( ソ の音 と 1オクターブ高いド の音の音程は 4度 です。)十進BASIC のプログラムを使って、「 うなり 」を視覚化してみましょう。
< プログラム その1 >
-
10 DEF a = 1. 12
20 DEF f (x) = SIN (x) + SIN (x/a)
30 SET WINDOW -40 * PI, 40 * PI, -3, 3
40 DRAW axes
50 FOR x = -40 * PI TO 40 * PI STEP 0.01
60 PLOT LINES: x, f (x) ;
70 NEXT x
80 END
( コピー&ペースト用 )
-
10 DEF a=1.12
20 DEF f(x)=SIN(x)+SIN(x/a)
30 SET WINDOW -40*PI,40*PI,-3,3
40 DRAW axes
50 FOR x=-40*PI TO 40*PI STEP 0.01
60 PLOT LINES: x,f(x);
70 NEXT x
80 END
1. 01
1. 00 で、「 うなり 」が消失します。
< プログラム その2 ( 振動数の差 = 1秒間あたりのうなりの回数 ) >
-
10 DEF a = 3
20 DEF f (t) = SIN(2*PI*20*t) + SIN(2*PI*(20+a)*t)
30 SET WINDOW -1.1, 1.1, -3, 3
40 DRAW axes
50 FOR t = -1.1 TO 1.1 STEP 0.01
60 PLOT LINES: t, f (t) ;
70 NEXT t
80 END
( コピー&ペースト用 )
-
10 DEF a=3
20 DEF f(t)=SIN(2*PI*20*t)+SIN(2*PI*(20+a)*t)
30 SET WINDOW -1.1,1.1,-3,3
40 DRAW axes
50 FOR t=-1.1 TO 1.1 STEP 0.01
60 PLOT LINES: t,f(t);
70 NEXT t
80 END
( 付 録 ) うなりの正体
波動関数は次のように表されます。

振幅が
で振動数の差が
の2つの波を合成してみます。

ここで、
を時間や距離によって変化する振幅であるとみなします。 また、 振動原点における振動のみに注目しますと、
となって、 時間のみによって変動する振幅とみなすことができます。 振幅は波のエネルギーの要素ですので、 音で言うと、 その大きさを決める因子になります。
になった後に、 次にまた
になるまでの時間は次のようになります。
以上より、 振幅は
間隔で大きく変動することになります。 ということは、 1秒間に
回 振幅が大きく変動することになります。 これがうなりの回数です。 振動数の差が
で1秒間に
回 うなるということは、「 1秒間あたりのうなりの回数は、 合成される波の振動数の差に等しい。」ということになります。 具体的に言うと、
と
では1秒間に1回うなり、
と
では1秒間に2回うなるということです。
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