内村鑑三の楕円体
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2018.09.15


  球( 正円体 )の中心から一瞬放たれた光は、 四方八方へと広がり、 球の内面で反射された後、 すべて同時に中心に戻ってきます。 この現象を、 球に対して等速直線運動をしている人が観察するとどうなるでしょうか?

  等速直線運動をしている球の中心から一瞬放たれた光は、 四方八方へと広がり、 球の内面で反射された後、 すべて同時に中心に戻ってきます。 ただし、 光が放たれた瞬間の中心の位置A と、 光が戻ってきた瞬間の中心の位置B とは、 異なります。 そのときの光の軌跡をすべて表しますと、 それらの集合体は、 点A と 点B とを2つの中心とする 楕円体( 楕円球 )になります。 なぜなら、 楕円体の表面は2つの中心からの距離の和が等しい点の集合だからです。
            
  無教会派キリスト教伝道者であった内村鑑三によると、 アインシュタインは「 宇宙は楕円体である。」と言ったそうです。 たぶん、 このことをアインシュタインは言っていたのだと思います。 アインシュタインのイメージをアニメーションにしてみましたので、 興味のある方は、 ばいおりん の その他の相対論関連論文集 > アインシュタインの楕円球 をご覧ください。

  内村鑑三は「 宗教も楕円体である。」と言っています。 人 と 神 とを2つの中心とする楕円体であると。 彼のこの言葉が紹介される時に、 宗教学者によっては、「 人 と 神 」を「 自 と 他 」や「 自我 と 自己 」に置き変えられることもあるようです。

  ちなみに、 仏教では、 真円は「 空 」を表します。 楕円には焦点が2つありますが、 真円は1つだけです。「 空 」を実感できない煩悩まみれの凡夫は、 自 と 他 の2つの焦点を持つ楕円に例えられます。「 空 」は、 自 と 他 は本質的に一体のものであると実感する悟りの境地です。