調のイメージ( 長調分析 )
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2024.12.09


 葉加瀬太郎さんは HP( https://www.hakase-ac.jp/ )の中で「 調のイメージ 」を次のように紹介しておられます。  これらのイメージは 1700年代のオルガンやチェンバロで演奏した時のイメージを元に作られたものだと思います。現在の主たる音律である平均律 や 弦楽四重奏やオーケストラで用いられる純正調では、このような調による個別的性格( 調のイメージ )を表現することはできません


 1700年代には平均律はまだ誕生していませんが、純正調はありました。純正調の欠点は鍵盤楽器で転調するとたちまち和音の響きが悪くなることです。この欠点を補うために、どの調で演奏しても和音の響きが比較的心地良くなるような調律が考え出されていました。たとえば、次のヴェルクマイスター第3音律です。  以上のように、ヴェルクマイスター第3音律は音名によって振動数比が決まり、階名によって振動数比が決まる純正調とは異なります。( 平均律は音名による振動数比と階名による振動数比が同じになっています。)音名によって振動数比が決まる調律では、調によって階名の振動数比が微妙に異なりますこの差が調による個別的性格( 調のイメージ )を作るのだと思います
 なお、1700年代のオルガンやチェンバロがどれくらいの割合でヴェルクマイスター第3音律で調律されていたのかは定かではありません。したがって、葉加瀬太郎さんが言っておられる調のイメージはヴェルクマイスター第3音律に由来するものであると申し上げているわけではありません。