ボウイングに参加する右指たち
音楽と物理学 へ戻る
ばいおりんの日常的物理学文集 へ戻る
2023.11.10____


 弦楽器のボウイングをする肩甲骨・右肩・右肘・右手首の 弓との接点は5本の右指です。
 親指と中指と薬指の主な役割は、隣の弦に弓の毛が接触しないようにすることと、弓の回転力を生み出す支点になることです。もちろん3本の指だけでなく腕全体でしているのですが。
 人差し指と小指の主な役割は、弓の回転力を用いて弦に対する弓の圧力を一定に保つことです。もちろん3本の指だけでなく前腕も使っているのですが。
今から、以上の仕組みを物理学的に解説します。


10 cm あたり 120 g の棒 と 10 cm あたり 480 g の棒 があります。
それらをつなげて次のような 60 cm で 1440 g の棒を作りました。

 

     力のモーメントのつり合いの式: (120×4)×2 = (480×2)×1
                     本当は、 (0.12×4)g×0.2 = (0.48×2)g×0.1
                             ※ g は 重量加速度



まず、この棒の下に支点台を置き、点Oを支点とします。
 

棒に働く力のモーメントは、反時計回りに 480×3 =→ 1440 です。
バランスを取るためには点Aに 1440 ÷ 3/4 =→ 1920 g の重りを吊り下げる必要があります。

バランスを取った後、点Aの下に第2の支点台をそっと挿入します。
 

すると、支点Aには 120 + 480×3/4×1/2 + 1920 =→ 2220 g の重みがかかっていて、
支点Oには 120×4 + 480 + 480×3/4×1/2 =→ 1140 g の重みがかかっています。
支点Oには比較的大きな重みがかかっています。
その重みを軽減するために、点Cに 570 g の重りをぶら下げてやります。
すると、それは点Oに −570÷3 =→ −190 g の重りを吊り下げるのに等しい効果があります。


次に、支点台の位置を変え次の点Oを支点とします。
 

棒に働く力のモーメントは、時計回りに 240×2+ 960×4 =→ 4320 です。
バランスを取るためには点Aに −4320 ÷ 19/4 ≒→ −909.5 g の重りを吊り下げる必要があります。

バランスを取った後、点Aの下に第2の支点台をそっと挿入します。
 

すると、支点Aには 120 + 840×31/38 + 360×6/19 − 909.5 ≒→ 8.5 g の重みがかかっていて、
支点Oには 120 + 840×7/38 + 360×13/19 ≒→ 521 g の重みがかかっています。
支点Oには比較的小さな重みがかかっています。
その重みを増大するために、点Bに 570 g の重りをぶら下げてやります。
すると、それは点Oに 570÷19 =→ 30 g の重りを吊り下げるのに等しい効果があります。



点Oは弦と弓の毛の接点です。
点Aは親指と弓の接点です。
点Bは人差し指と弓の接点です。
点Cは小指と弓の接点です。