消費税 と 輸出還付金
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2025.07.06
トランプさんの本音はこうだと思います。「 ヨーロッパ諸国や韓国・日本は、消費税という名の付加価値税という裏口を使って自動車産業に輸出補助金をたんまり払って、米国に商品を安く多く売り込んでいる。米国の製造業弱体化や財政赤字のことを思うと、もう我慢できない。諸外国には多大な関税をかけさせていただきます。」
そもそも付加価値税を始めたフランスの目的は、輸出補助金の裏口づくりであったそうです。付加価値税を用いた輸出補助金づくりの仕組みは、次のようなものです。
企業が生産した商品に含まれる交換価値は、原料や生産のための道具から転嫁される交換価値 と 労働によって新たに生み出される交換価値 とに分かれます。後者の交換価値のことを付加価値と言います。付加価値は、売上高 から 原料や生産のための道具に費やした費用を引いたものになります。その付加価値に対して税金がかかるわけです。企業が生産する商品はおおむね交換価値に見合う価格に付加価値税を加えた価格で販売されることになります。ここで輸出企業に対する政府の優遇が始まります。付加価値税込みの価格で原料や道具を購入した企業ですが、生産した商品を買ってもらうのが外国人なのだから、企業は付加価値税の分も加えた価格で販売することができないと勝手に決めつけます。そして政府は、原料や道具に含まれている付加価値税の分の価格は、輸出企業に払い戻しましょうということになります。これが「 輸出還付金 」です。
付加価値税が加わると、それは商品の本来の価格に上乗せされ、商品の価格は上昇します。ですから、付加価値税は事業者に納税義務のある税金なのですが、必然的に消費者に負担がかかるので、日本では「 付加価値税 」は「 消費税 」という名で世に出されました。しかも、「 将来ますます必要になってくる社会保障費の財源確保のために、今の国民消費者は辛抱をお願いします。」という宣伝を伴って。
新自由主義・グローバル経済社会での考え方は、多国籍企業ファーストですので、過去の30年間、輸出補助金を増やすような政策がされてきました。すなわち、消費税増税です。しかし、近年では、トランプさんに代表されるように、欧米諸国では貧困格差社会をもたらしたグローバル経済への見直しが始まっており、国民ファーストの機運が高まっています。インターナショナルからナショナリズムへの舵取りが第3次世界戦争を引き起こさなければいいのですが。