天球上の点の位置は「 方位 」と「 高度 」で表されます。 方位は水平線上の南点を基準として西回りに 0 度 から 360 度 までで、 高度は水平線を基準として天頂方向に −90 度 から 90 度 までです。 これを「 地平座標系 」と言います。
座標系は観察者に固有のものですから、 元来、 座標系は相対的なものです。 したがって、 上記の座標系では観測地や時間によって恒星の位置が変わってきます。
一方、 観測地や時間によらず恒星の位置を客観的に表わす座標系として、「 赤道座標系 」があります。 赤道座標系とは、 太陽の中心が存在する点に存在し恒星に対して移動も自転もしていない観察者の座標系であるということができます。 赤道座標系では、 地球が秋分に存在する位置を ( 赤径 0 度、 赤緯 0 度 )とし、 地球が冬至に存在する位置を( 赤径 90 度、 赤緯 23.4 度 )とし、 地球が春分に存在する位置を ( 赤径 180 度、 赤緯 0 度 )とし、 地球が夏至に存在する位置を( 赤径 270 度、 赤緯 −23.4 度 )とします。 つまり、 春分または秋分のときの地球の赤道面を水平面とする座標系です。
赤道座標系では、 春分点( 地球からすると、 春分のときに太陽が存在する所 )は常に( 赤径 0 度、 赤緯 0 度 )の位置にあり、 秋分点は常に( 赤径 180 度、 赤緯 0 度 )の位置にあります。 さそり座の恒星アンタレスは常に( 赤径 247.4 度、 赤緯 −26.4 度 )の位置にあります。 カシオペア座の恒星カフは常に( 赤径 2.3 度、 赤緯 59.2 度 )の位置にあります。 オリオン座の恒星ベテルギウスは常に( 赤径 88.8 度、 赤緯 7.4 度 )の位置にあります。 このデーターから、 日本( およそ 東経 135 度、 北緯 35 度 )に住んでいる人の中で、「 したがって、 さそり座は夏に南の水平線近くに現れ、 カシオペア座は秋に高度60度あたりにまで上がる星座であり、 オリオン座は冬に高度60度あたりまで上がる星座なのだ。」と理解できた人は、 素晴らしい立体的方向感覚をお持ちの方だと思います。
赤道座標系と地表座標系がほぼ一致するのは、次の2つの条件がそろっているときです。
観察者が赤道上に存在すること。
冬至の0時、 春分の18時など、 冬至から数えて χ日後 の 観測時刻 y時 が、次の式を満たすこと。

オリオン座の恒星ベテルギウスは、 明石( 東径135度, 北緯34.4度 )では、 冬至の 23時55分頃に、 子午線( 天の北極 と 天頂 と 天の南極 を結ぶ線 )上の (90−34.4) + 7.4 = 63 度 の高度にあります。 その後、 この星は、日毎におよそ4分ずつ南中時刻を早くしていき、 春分には 17時55分頃に南中するようになります。 その理由は、 次の式にあります。 これは、 地球が太陽の周りを 365.24日かけて正円軌道を描いて公転していると仮定して導いたものです。

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