反転の加法
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2022.04.07____
【 質 問 1 】
鏡を真正面から見たとき、鏡は映し出す物を前後反転させますが、鏡は映し出す物を上下反転や左右反転させたりはしません。でも、本を持って鏡の前に立ったとき、本の表紙の文字は左右反転しています。なぜでしょう?
【 解 答 】
本を持って鏡の前に立つとき、その前に自分の方に本の表紙が向いていたのを上下の軸を中心に180度回転させたからです。上下の軸を中心に180度回転させるということは、前後反転かつ左右反転させることです。それを鏡に映すということは、さらに前後反転させるということです。前後反転を2回繰り返すと元に戻るので、結局、左右反転のみが残ります。左右反転させたのは鏡ではなく、本を持って鏡の前に立つ人です。
【 質 問 2 】
鏡を真正面から見たとき、鏡に映っている自分以外の物は左右反転していますが上下反転していません。なぜでしょう?
※ 本を持って鏡の前に立ってみてください。本の表紙の文字は左右反転しています。
※ 鏡に映った自分の背後にある壁掛け時計は左右反転しています。
【 解 答 】
鏡を真正面から見たとき、鏡は映し出す人を前後反転させますが、鏡は映し出す人を上下反転や左右反転させたりはしません。鏡の前に立つ人の頭も鏡に映し出された人の頭も上側にあり、鏡の前に立つ人の右手も鏡に映し出された人の右手も右側にあります。鏡の前に立つ人と鏡に映し出された人とは反対方向を向いています。鏡に映し出された人の姿 と 写真に映っているその人の姿( 他人から見られるその人の姿 )とを比べると左右反転していますが、それを理由に鏡は映し出す人を左右反転させると考えるのは間違いです。
鏡を真正面から見たとき、鏡は映し出す人が持つ物を前後反転させますが、鏡は映し出す人が持つ物を上下反転や左右反転させたりはしません。本を持って鏡の前に立ったとき本の表紙の文字が左右反転しているのは、その前に自分の方に本の表紙が向いていたのを上下の軸を中心に180度回転させたからです。上下の軸を中心に180度回転させるということは、前後反転かつ左右反転させることです。それを鏡に映すということは、さらに前後反転させるということです。前後反転を2回繰り返すと元に戻るので、結局、左右反転のみが残ります。左右反転させたのは鏡ではなく、本を持って鏡の前に立つ人です。なお、著者のようなひねくれ者が鏡の前に立つと、本の表紙の文字は左右反転ではなく上下反転します。
鏡を真正面から見たとき、鏡は映し出す人の背景を前後反転させますが、鏡は映し出す人の背景を上下反転や左右反転させたりはしません。鏡の前に立ったとき背景が左右反転しているのは、その前に鏡を背にしていた人が上下の軸を中心に180度回し、相対的に背景を上下の軸を中心に180度回転させたからです。上下の軸を中心に180度回転させるということは、前後反転かつ左右反転させることです。それを鏡に映すということは、さらに前後反転させるということです。前後反転を2回繰り返すと元に戻るので、結局、左右反転のみが残ります。背景を左右反転させたのは鏡ではなく、鏡の前に立つ人です。
【 質 問 1 】と【 質 問 2 】を別々のグループにしてみますと、【 質 問 1 】に解答するグループの方が圧倒的に正解率が高いです。その理由は「 鏡を真正面から見たとき、鏡は映し出す物を前後反転のみさせる。」という真実にほとんどの人が気づいていないからです。また「 後ろを振り向くという行為は、観察する物を相対的に前後反転かつ左右反転させることである。」という真実にも気づいていない人が多いと思います。
なお、反転は複素平面( ガウス平面 )での180度回転に相当するものであって、90度回転ではありませんので、鏡像は虚像とは違います。
自分から1m 離れた前に存在する物質A と 自分から2m 離れた前に存在する物質B とを比べたときに、自分にとって「より手前にある」のはAですが、自分にとって「より前にある」のはBです。前後の判定を「手前」という物差しを使って行うのは間違いです。