相互インダクタンス
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2012.11.16


  電気回路に電流 が流れているときに、「 ビオ・サバールの法則 」によって電気回路内を貫く磁場が生じています。 この磁場の大きさを示す指標として貫通全磁束 を用いると、 貫通全磁束は電流に比例します。この比例定数を「 自己インダクタンス 」と言います。 したがって、「 自己インダクタンス 」は次の式で与えられます。
    
  そして、 回路内の電圧と電流の関係を、 自己インダクタンス が次のように取り持っています。
    
  この式は、 と「 ファラディーの誘導起電力の法則 」の式 :  から次のようにして導かれます。
    

 
  この式を見ると、 電流の時間的変化量は自己インダクタンスに反比例しています。 これが、「 自己インダクタンスは、 回路の電流の慣性度を表している。 」と私が申す理由です。


  変圧器の鉄芯の断面積を 、 中心部の長さを 、 誘磁率を とし、 入力側コイルの巻数を 、 出力側コイルの巻数を とします。 入力側コイルの自己インダクタンスを 、 出力側コイルの自己インダクタンスを とし、 入力側コイルに の電流を流したときに出力側コイルに流れる電流を とします。 入力側コイルの貫通全磁束 、 出力側コイルの貫通全磁束 とします。

  変圧器の入力側コイルに大きさや方向が変動する電流を流しますと、 電気回路を貫く大きさや方向が変動する磁場が形成されます。 すると、 その変動する磁場は、「 ファラディーの誘導起電力の法則 」によって、 子が親に逆らうように、 電気回路に対して磁場形成を妨げるように誘導起電力を起こさせます。 この現象は「 自己誘導起電力 」といわれます。「 自己誘導起電力 」の起こりやすさを表したものが「 自己インダクタンス 」です。

  さて、 変圧器は2つのインダクタ( コイル )が1つの磁場で結ばれるという構造になっています。 このとき、 2つの自己インダクタンスが相互に作用しあって、 相互インダクタンス を形成します。 そして、 次の式が成り立ちます。

     

  入力側コイルに電流 を流した時の、 鉄芯の中心を一周する電場の電束密度 は、「 アンペールの法則 」により、 次の式で表わされます。
    
  したがって、「 入力側コイルにとっての入力側コイルによる貫通磁束 」は 次のようになります。
    
また、「 出力側コイルにとっての入力側コイルによる貫通磁束 」は 次のようになります。
    

より、 次のようになります。
    
より、 次のようになります。
    

  また、 出力側コイルに電流 を流した時の、 鉄芯の中心を一周する電場の電束密度 は、「 アンペールの法則 」により、 次の式で表わされます。
    
  したがって、「 入力側コイルにとっての出力側コイルによる貫通磁束 」は 次のようになります。
    
また、「 出力側コイルにとっての出力側コイルによる貫通磁束 」は 次のようになります。
    

より、 次のようになります。
    
より、 次のようになります。
    

より、 次の式たちが成り立っていることがわかります。