ピタゴラス素数とは、2個の平方数の和で表すことのできる2以外の素数のことです。ある数がピタゴラス素数であるための必要十分条件は「その数は素数であり、かつ、4で割ると1余る数であること」です。このことは、次のプログラムを実行すると実感できます。2個の平方数の和で表すことのできる2以外の素数 を探し出すことと、4で割ると1余る素数を探し出すことを行うと、同じ結果になるのです。
プログラムの内容 :
【 問 題 】
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n は素数とする。
次の方程式で表されるグラフが1個以上の格子点を通るならば、n は4で割ると1余る数であることを証明せよ。
x2 + y2 = n
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この方程式で表されるグラフは、原点を中心とする半径 \( \sqrt{\ n\ } \) の円である。「 方程式のグラフが格子点を通る 」ということは、「 その方程式を満たす整数の組み合わせ( x, y )が存在する 」ということである。
n は素数なので、x と y はどちらか一方が奇数でもう一方が偶数になっている。
そこで、 x = 2n+1, y = 2m と置く。
n = x2 + y2 =→ 4n2 + 4n + 1 + 4m2 =→ 4 × ( n2 + n + m2 ) + 1
したがって、 n は4で割ると1余る数である。
( 付 録: ピタゴラス素数の必要十分条件は「4で割ると1余る素数」であることの証明 )
「ある数がピタゴラス素数ならば、その数は4で割ると1余る数である。」という命題 と 「 ある素数が4で割ると1余る数ならば、その数はピタゴラス素数である。」という命題 が共に真であることを証明すればいいのですが、直接的な証明は難しそうです。そこで、次のように考えます。
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ピタゴラス素数( \( k \) )を構成する2つの平方数の正の平方根の組み合わせ( \( x,\ y \) )は、両方とも偶数、両方とも奇数、一方が奇数で他方が偶数 の3通りのうちのどれかである。
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\( x=2n かつ y=2m \) の場合
\( k= x^{2}+y^{2}\ =\to\ 4n^{2}+4m^{2} \)
\( =\to\ 4×\left(\ n^{2}+m^{2}\ \right) \)
したがって、 \( k\ は4で割ると0余る数である。\)
ということは、 \( k\ は偶数であり、2以外の素数ではないので矛盾する。\)
\( x=2n+1 かつ y=2m+1 \) の場合
\( k= x^{2}+y^{2}\ =\to\ 4n^{2}+4n+1+4m^{2}+4m+1 \)
\( =\to\ 4×\left(\ n^{2}+n+m^{2}+m\ \right)+2 \)
したがって、 \( k\ は4で割ると2余る数である。\)
ということは、 \( k\ は偶数であり、2以外の素数ではないので矛盾する。\)
\( x=2n+1 かつ y=2m \) の場合
\( k= x^{2}+y^{2}\ =\to\ 4n^{2}+4n+1+4m^{2} \)
\( =\to\ 4×\left(\ n^{2}+n+m^{2}\ \right)+1 \)
したがって、 \( k\ は4で割ると1余る数である。\)
ということは、\( k\ は奇数であり、2以外の素数であることに矛盾しない。\)
以上のすべての場合の3通りで、 \( k \) が4で割ると3余る数であることは全くなかった。ということは、4であると3余る素数にはピタゴラス素数は含まれていないということである。
※ 参照: 大学生のための数学 > 数理論 > フェルマーの二平方和定理
というわけで、「ある数がピタゴラス素数ならば、その数は4で割ると1余る数である。」という命題が真であることは証明されました。しかし、「 ある素数が4で割ると1余る数ならば、その数はピタゴラス素数である。」という命題が真であることはここではまだ証明されていません。この命題は証明がされているそうですが、難しそうで私の手には負えなさそうです。
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