遠投
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2014.03.20
球速150キロメートル以上の球を投げることのできる野球のピッチャーは数少ないですが、 そのときの初速は時速160キロメートルほどであると言われます。 もし彼らが遠投をしたとすると、 どれくらいの記録を残せるのでしょうか ?
空気抵抗のない場合は、 45度の角度で投げるのが最適であり、計算してみますと、初速が時速160キロメートルのボールは201メートルまで飛びます。 しかし 、彼らが遠投をしてもせいぜい130メートルであると言われていますので、 いかに空気抵抗がすごいのかがわかります。 先日行われた読売ジャイアンツの入団テストの一次選考基準は、 50メートル走 6.3秒以内、 遠投 95メートル以上 であったそうです。 砲丸投げ45度、 やり投げ30度 と言われています。 ということは 、砲丸投げは空気抵抗の要因が少なく、 やり投げは空気抵抗や空気によって生じる揚力の影響が強いということです。 野球のボールの場合は、 初速によっても遠投に有利な角度は変わってきますが、 いずれにせよ45度よりも低い角度になり、 一説では38度とのことです。
野球ボールの遠投は初速だけではありません。 ボールは自転もしますので、 それも空気抵抗や揚力に関与します。 一般に回転していないボールは空気対抗が強くていわゆる「 ぶれ玉 」になり、 飛球方向に対して右90度向きの角速度( 角速度の向きは右ネジの法則によります )で自転するボール( いわゆる逆回転のボール )には大きな揚力が加わります。
ゴルフボールのドライバーショットの打ち出し角は10度くらいですが、 飛行方向に対して右90度向きの角速度の自転が生じるため、 揚力が生じて次第にその角度を増していきます。 ボールには揚力が生じやすいように小さな円状の溝がくまなく掘られています。