(1)問題提起
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二元数( 複素数 )と 四元数はあるのに、なぜ三元数( x0 + x1 i + x2 j )はなぜ存在しないのだろうか?
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i 2 = j 2 = −1
i j = a + b i + c j ※ ただし、a も b も c も 実数
両辺に i をかけると、
i × i j = a i + b i 2 + c i j
よって、
−j = a i − b + c i j
よって、
−j = a i − b + c ( a + b i + c j )
よって、
0 = ( ac−b ) + ( a+bc ) i + ( c 2+1 ) j
よって、
ac−b = 0 かつ a+bc = 0 かつ c 2+1 = 0
ここで、
c は実数だから、c 2+1 = 0 はあり得ない。矛盾に陥ってしまった。
つまり、三元数は乗法について閉じていないのである。これでは数として認められないのである。
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i 2 = j 2 = k 2 = −1
i j = k ・・・ @
j k = i ・・・ A
k i = j ・・・ B
@ の両辺に i をかけると、
i × i j = i × k
よって、
−j = i k
よって、
i k = −j ・・・ B’
A の両辺に j をかけると、
j × j k = j × i
よって、
−k = j i
よって、
j i = −k ・・・ @’
B の両辺に k をかけると、
k × k i = k × j
よって、
−i = k j
よって、
k j = −i ・・・ A’
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4次元時空間座標系と比較してみると、四元数の実部が時間軸に相当し、四元数の虚数 i 軸部 が 空間 x 軸 に相当し、四元数の虚数 j 軸部 が 空間 y 軸 に相当し、四元数の虚数 k 軸部 が 空間 z 軸 に相当する。
四元数の3次元虚数部分( i 軸 と j 軸 と k 軸 )については、乗法はベクトルの外積に相当する。二元数( 複素数 )の乗法が 実部 i 軸部平面におけるベクトルの回転でイメージされるように、四元数の乗法は、3次元虚数部分の2軸成分が 0 の場合には、実部 i 軸部平面におけるベクトルの回転 または 実部 j 軸部平面におけるベクトルの回転 または 実部 k 軸部平面におけるベクトルの回転 のイメージである。しかし、そうでないときには、ベクトルの外積の合成のイメージとなる。
※ 参考: 線形代数学 > 二元数から四元数へ( ベクトルの起源 )
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