正方形の 回転対象 or 反転対象
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2026.03.09


  

 上のような姿勢をした正方形の「 回転対象 or 反転対象 」への方法は最低で何通りあるか? なお、何もしない変換も1とおりとする。といった問題の解答は、次の8とおりです。
   @ 何もしない。( 0 度回転させる、または、360 度回転させる。)
   A 90 度回転させる。
   B 180 度回転させる。
   C 270 度回転させる。
   D 上下反転させる。
   E 上下反転させてから、90 度回転させる。
   F 上下反転させてから、180 度回転させる。
   G 上下反転させてから、270 度回転させる。

 上下反転を左右反転に入れ替えても正解です。また、上下反転を「 どれかの辺に平行な軸とする反転 」に入れ替えても正解です。ちょっと話が脱線しますが、重心を中心とする回転を自転と言うのだから、重心を通る直線を軸に反転することを「 自反転 」と言うことにしませんか? 話を元に戻して、また、 D から G を消去して、@ をしてから反転させる、A をしてから反転させる、・・・ に入れ替えても正解です。

 さて、「 回転対象 or 反転対象 」の問題は、「 条件付き頂点の置換 」の問題とほぼ同じです。条件付きの条件とは「 置換後も隣どうしは変化しない 」ということです。また、前者は、写像を空間的にイメージしているところに特徴があります。

 再び話が脇道に逸れてしまいましたが、元に戻って、「 回転対象 or 反転対象 」の問題を位置ベクトルの回転や反転という視点で解析してみましょう。ベクトルの回転や反転といえば一次変換ですね。一次変換を担う行列はテンソルと言われます。

\(x\) 軸について鏡像を得るテンソルの表現行列:
\[ \begin{flalign} \ \ \ \ \ \ \begin{pmatrix} \ 1 & 0\ \\ \ 0 & -1\ \end{pmatrix}&& \end{flalign} \]
原点を中心にして反時計回りに 90×\(n\) 度回転するテンソルの表現行列:
\[ \begin{flalign} \ \ \ \ \ \begin{pmatrix} \ \cos\large\left(\frac{n\pi}{2}\right) & \normalsize -\sin\large\left(\frac{n\pi}{2}\right)\ \\ \ \sin\large\left(\frac{n\pi}{4}\right) & \cos\large\left(\frac{n\pi}{4}\right)\ \end{pmatrix}&& \end{flalign} \] \[ \begin{flalign} \ \ \ \ \ \ @\ \ 0\ 度回転:\ n=0\ のとき、\ \begin{pmatrix} \ 1 & 0\ \\ \ 0 & 1\ \end{pmatrix}&& \end{flalign} \] \[ \begin{flalign} \ \ \ \ \ \ A\ \ 90\ 度回転:\ n=1\ のとき、\ \begin{pmatrix} \ 0 & -1\ \\ \ 1 & 0\ \end{pmatrix}&& \end{flalign} \] \[ \begin{flalign} \ \ \ \ \ \ B\ \ 180\ 度回転:\ n=2\ のとき、\ \begin{pmatrix} \ -1 & 0\ \\ \ 0 & -1\ \end{pmatrix}&& \end{flalign} \] \[ \begin{flalign} \ \ \ \ \ \ C\ \ 270\ 度回転:\ n=3\ のとき、\ \begin{pmatrix} \ 0 & 1\ \\ \ -1 & 0\ \end{pmatrix}&& \end{flalign} \]  以上の @ 〜 G のテンソルを要素とする集合を \(A\) として、 \(A\) の要素のテンソルどうしの合成をします。下の表を見てください。横の列が最初の演算をするテンソルで縦の列が最後の演算をするテンソルです。
 上記の表を見やすくするために、 番号で表示しました。
この表を見ると、集合 \(A\) が群であることが分かります。