半目勝負は最後の手を打った者が負け
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2013.07.18


  囲碁は囲った領地( ()と言います )の面積を ()の数( 単位は (もく) )で表します。 囲う領地の形が複雑なので、( 縦の長さ × 横の長さ )+(・ ・ ・ などとして面積を計算するのは困難です。 そこで、 領地の中に存在する格子の交点( () )の数でもってその平面の広さを表現するのです。 これはどこかに応用できそうですね。

  さて、 黒と白が交互に打って領地を囲い合いするゲームである囲碁は先手の黒が若干有利なので、 白には前もって空想の領地が与えられています。 それをコミと言います。 コミは以前は4目半だったのですが、 いつの間にやら5目半、 そして6目半になってしまいました。 先手の黒が盤面上で7目以上の差をつけて白よりも多くの領地を囲わなければ勝ちにならないのです。 先日、 囲碁のテレビ番組を見ていると、 解説者が「 これは細かいですね。 最後に白が駄目を詰めて終了しましたので、 もし半目勝負ならば、 黒の勝ちです。」と言いました。 その1分後、 その通り黒の半目勝ちでした。 何故こんなことが言えるのでしょうか?

  碁盤の目の数は 19×19 の 361個 です。 駄目( 黒が打っても白が打っても領地の広さの差が変化しない場所 )が全部詰まって勝負が終了したら、 アゲハマ ( 囲んで盤面上から取り除いていた相手の石 ) を相手の領地に埋めていき、 10 や 20 の数えやすい単位に相手の領地を区画整備していきます。 このとき、 先手の黒が最後に駄目を詰めて終了した場合には、 盤面上には奇数個の石が置かれていることになります。 ということは、 盤面上の領地としての目の総数は偶数になっているということです。 一方、 後手の白が最後に駄目を詰めて終了した場合には、 盤面上には偶数個の石が置かれていることになります。 ということは、 盤面上の領地としての目の総数は奇数になっているということです。

  さて、 半目勝負のときは、 盤面上の2人の領地の差は 6目 または 7目 です。 差が6目のときは、 2人の領地の目数が、 偶数どうし、 または、 奇数どうしになっていますので、 2人の領地の目数の合計も差も、 必ず偶数になっています。 また、 差が7目のときは、 2人の領地の目数が、 一方が偶数で片方が奇数になっていますので、 2人の領地の目数の合計も差も、 必ず奇数になっています。 ということは、 差が6目のとき( 黒が負けのとき )は、 2人の領地の目数の合計が偶数になっているときであり、最後の手を打ったのは黒であり、 差が7目のとき( 白が負けのとき )は、 2人の領地の目数の合計が奇数になっているときであり、最後の手を打ったのは白であるということになります。 つまり、 半目勝負の場合は、 最後の駄目を詰めて勝負を終了させた方が負けということになります。

  もし、 コミが以前のような5目半であれば、 6目半の場合と反対で、 半目勝負のときは、 最後の駄目を詰めて勝負を終了させた方が勝ちということになります。