ここから神戸に行くには、 瀬戸大橋を渡るより淡路島経由のほうが若干早いようです。 淡路島に渡るには、 鳴門海峡に架けられた大鳴門橋を通りますが、 その時、 眼下に鳴門の渦潮を見ます。 鳴門の渦潮を間近で見るには、 遊覧船に乗るという手があり、 これまで3回乗りましたが、 潮流のエネルギーや海面の段差はなかなかのものでした。 潮流は速い所で時速
くらいだそうです。 鳴門海峡の瀬戸内海側は播磨灘で、 太平洋側は紀伊水道です。大きな渦ができるということは、 潮の流れが平均的に速いということと、 潮流の速さの空間的なバラツキが大きいということです。 潮流の速さの空間的なバラツキが大きいということは、 海底の傾斜が強くて海の深さのバラツキの程度が大きいということです。 潮の流れが平均的に速いのは、 海峡が狭いためです。 そしてもう1つ、 潮の流れが平均的に速い理由があります。 それは、 鳴門海峡を挟んで満潮と干潮が隣り合わせになっているということで、 そのために海面の高さが最大
も異なるそうです。 ハワイが満潮の時は日本が干潮であるというのならわかるのですが、( ハワイの満潮や干潮は、月の地球を回る速さと同じ速さで、 日本に向かって伝播して来ます。) どうして、 鳴門海峡を挟んで満潮と干潮が隣通しになるのでしょうか?
地球上のどの沿岸でも、 月の引力によっておよそ 6時間13分 ごとに満潮と干潮のピークを交互に迎えます。( 地球からすると月は 24時間52分 で1周しています。) 太平洋と一続きになっている紀伊水道( 淡路島の南東側の海域 )は、 月の引力などによる潮汐 現象 ( 潮汐波 ) により、 月が南中しているときに干潮になります( 満潮ではありません )。 一方、 瀬戸内海側の播磨灘( 淡路島のすぐ北西側の海域 )は、 月の引力による潮汐現象を直接的には受けません。 その理由は、 瀬戸内海は、 陸地以外の地球全体をとりまく海とつながってはいるものの、 その境界部分の断面積が海洋レベル的にいうと極めて小さいためです。 月の引力による潮汐現象を直接受けるのは、 地球の反対側の海と遮るものがなくて深い海抜を広範囲に持つ海洋だけなのです。
太平洋が満潮になったときから干潮になるまでの間、 四国の東側( 豊後水道 )と 西側の海( 紀伊水道 )から瀬戸内海に海水が入っていきます。 満潮と干潮の中間に最大量の海水が入っていくと考えられます。 東側の出入り口は、 幅
の明石海峡 と 幅
の鳴門海峡で、 西側の出入り口は佐田岬と佐賀関を結ぶ幅
の豊後水道です。 豊後水道の横断面積は、 他の2つに比べて圧倒的に大きいので、 主にここから海水が出入りしているそうです。 したがって、 瀬戸内海では、 太平洋の満潮や干潮が伝わるのは、 西側から東側に向かう方向になります。 瀬戸内海には、 島が多くあり、 さらに海底地形などの影響もあって抵抗が多く、 海水の出入りに随分と時間がかかるそうで、 一番奥になる播磨灘には、 約5時間遅れで伝わるそうです。 しかし、 播磨灘には明石海峡から入ってくる海水もありますので、播磨灘の満潮は高太平洋沿岸に比べておよそ4時間遅れの満潮になるそうで、 播磨灘が満潮になったときには紀伊水道は2時間後の干潮に向けて引き潮になっており、 鳴門海峡では北西から南東に向けて潮流がみられます。 そういうわけで、 鳴門海峡を挟んで潮位差が最大
にもなり、 速い潮流が生じるのです。 淡路島の紀伊水道側の海が満潮や干潮になる時( それは太平洋沿岸より1時間遅れです )、 鳴門海峡の潮流は最大になりますので、 その時間帯にうずしおクルーズ船に乗られることをお勧めします。鳴門の渦潮の仕組みをもっと知りたい方は、 南あわじ市のホームぺージ または、 大鳴門橋架橋記念館エディ( 鳴門市にあります )に行ってみてください。
https://www.city.minamiawaji.hyogo.jp/soshiki/uzushio/shikumi.html
参考文献: 天文学と物理学 > 潮の満ち引き
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