地球による、 地球の表面の重力場の大きさ :

は、 重力加速度
に近いです。 等しくないのは、 地球の自転による遠心力の影響が入っていないためです。
太陽による、 地球の重心が存在している位置の重力場の大きさ :

月による、 地球の重心が存在している位置の重力場の大きさ :

* 地球上の物質に対して作用する万有引力は、地球、太陽、月 の順に強くなっています。
私の生まれ故郷は海に近く、 大きな川が街の中をゆっくりと流れています。 岸には小舟が繋がれており、 しらうお や 青苔 の漁が行われます。 海の干満の影響を受け、 敏感に水位が変化します。 川が満ちて来るときには、 海水が川底を逆流するために、 川がふ〜っとふくらんで見えます。
潮の満ち引きのことを、 潮汐 現象 と言います。 潮汐現象は 本幹的なもの と 枝葉的なもの から構成されます。
本幹的な潮汐現象は「 潮汐波 」と言われます。 それは、 @ 地殻と海水が受ける万有引力の差 と A 月と地球の系の重心を中心として地球が公転している為に起こる、月側とその反対側での遠心力の差 と B 地殻の海水に対する万有引力と抗力とからなる海水位を万遍に一定にしようとする復元力 と C 海水の分子の粘着力 と D 慣性の法則 によって起こります。 地球に対する引力は月によるよりも太陽による方が大きいのですが、 太陽よりも月の方が地球に近いために @ や A の要因に対して月の方が圧倒的に大きな影響力を持っています。 月の真下の海水は地殻よりも月に近いため、 地殻に働く引力よりも強い引力を受けるので、 満ち潮になろうとする力が強く働きます。 その力は月が南中している時が最大で、 それから次第に減少し月が子午線から45度傾くころにはほぼ消失してしまいます。 潮汐波の周期は、 相対的に月が地球を1周する時間のちょうど半分です。したがって、およそ 6 時間 13 分ごとに 最大引き潮 と 最大満ち潮 を繰り返します。 大きな海洋の海岸では、下のアニメーションのように、月が真上に来たときと月が地球の裏側になったときが干潮になります。
<潮汐波のイメージ>
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月の公転平面で輪切りにすると、 海洋の海水面は楕円形になっています。
地球上の観察者からすると、 その楕円は、 月の相対的公転と同じ方向( 東から西へ )に同じ周期( 24時間50分28秒 )で自転しています。 多少のずれはありますが、いつも楕円の短軸が月の方を向いています。
海水そのものが回転しているのではありません。 海水の中の1つの水の分子は上下運動と左右運動を周期的に繰り返しているだけです。
地球上にいる観察者からすると、「 地球は自転も公転もしていなくて、 月が東から西へと地球の周りを回っている。」「 月の出 や 月の入り のときに満潮になる。」ということになります。
新月は日の出ごろに月の出を迎え、 上弦の月( 半月 )は正午ころに月の出を迎え、 満月は日の入りころに月の出を迎えます。
なぜ月が南中している時間帯が満潮でなくその反対の干潮なのかというと、 海水の粘着力により、 地球と月と太陽の重力の合力が、海洋の盛り上がった部分にある海水を移動させて海洋の盛り下がった部分を盛り上げて水平にするにはおよそ3時間かかるからです。 さらにそれから慣性の法則により、海洋の盛り上がった部分と海洋の盛り下がった部分が完全に入れ替わるためにおよそ3時間かかります。 このようにして地球全体として海水のゆっくりとした振動( 潮汐波 )が形成されます。 そのしくみはバネの振動に似ています。 バネが一番伸びたりあるいは一番縮んだりしているときに最大の復元力が作用しています。
さて、 枝葉的な潮汐現象により、 四国の瀬戸内側では太平洋側よりも干満の運動が遅れます。 場所によっては5時間も遅れる所があります。 枝葉的な潮汐現象は、 本幹的な潮汐現象と異なり、 天体の引力の影響は微々たるもので、 それよりも海洋と内海との水位差(水圧差)による海水の移動によって生じます。 それは満ち潮の時に海水が川を逆流して行くのに似ています。
新月 と 満月 の日を含めてその前後の日は、 月と太陽と地球がほぼ一直線に並ぶ( 満月のときは、 太陽 − 地球 − 月 の順 )ため、 干満の差が大きくなります。 これが 大潮 です。 その中間の 上弦の月 や 下弦の月 の時には、 地球に対して月と太陽が直角方向になるために、 干満の差が小さくなります。 これが 小潮 です。 同じ大潮でも、 春分や秋分の頃が最も干満差が著しくなります。 それは、 春分や秋分の頃の新月や満月が地球の公転面に最も近づくために、 太陽との共同作用が強くなるためです。
実際の潮汐現象は、 以上の月中心に述べたものとは少し異なります。 なぜなら、 月による 12 時間 25 分 14 秒周期 の潮汐現象に、大きさがその 約45% の 12 時間周期 の太陽による潮汐現象が加わるからです。
青色のサインカーブ: 月による潮汐現象
緑色のサインカーブ: 太陽による潮汐現象
赤色のサインカーブ: 2つの波の合成波
※ 月の出から南中までの時間 と 南中から月の入りまでの時間は かなり差があることが多いので、実際は青色のサインカーブのようになっているわけではありません。
海の魚は大潮の時に産卵することが多いそうです。 また、 人が生まれるのは満ち潮の時に多く、 人が亡くなるのは引き潮の時に多いと言われており、 そう言えばなんとなくそんなような気もしますが、 これは調査の結果、 迷信であることが判明しています。
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