満月のときは、 夕方から翌朝まで月が地球の天球上を移動しようとも、 それは地球が自転しているためであって、 月は地球を挟んで太陽のほぼ真反対の位置にいます。 月が地球の周りを1周するのには 27 日以上 かかりますので、 12時間では、 地球の中心に対して 6.6 度 くらいしか回転しません。 だから、 月は一晩中地球の陰に入っていて、 地球の陰が月全体に映っているはずです。 いわゆる 皆既月食 の状態が一晩中続くはずです。 しかし、 現実はそうではなく、 満月は地球の陰の外にいて太陽の光を反射して地球に投げかけているのです。 今夜はこの理由を探ってみましょう。
月までの距離: 384400

太陽までの距離: 149600000

太陽の直径: 1392000

地球の直径: 12756

月の直径: 3474

太陽の直径は、 地球の直径のおよそ 109倍 です。
月の直径は、 地球の直径のおよそ 27% です。
地球から月までの距離は、 地球の直径のおよそ 30倍 です。
地球から太陽までの距離は、 地球の直径のおよそ 11730倍 です。
地球から太陽までの距離は、 地球から月までの距離のおよそ 390倍 です。

次の式たちより、 地球から見た太陽の見かけの大きさ は 地球から見た月の見かけの大きさ よりも少しだけ大きいことが解ります。

さて、

上の式より、 地球から太陽と反対の方向へ太陽の直径と同じ距離だけ離れれば、 たとえ見えている太陽の真中の位置に地球が入って来たとしても、 太陽の全部が地球に覆い隠されてしまうことはないことが解ります。
太陽の直径は 地球から月までの距離のおよそ
ですから、月からすると、 見えている太陽の真中の位置に地球が入って来た場合は、 太陽の全部が地球に覆い隠されてしまいます。 月からして太陽の全部が地球に覆い隠されてしまっている状態とは、 地球からすると皆既月食です。こう考えますと、 満月の日には皆既月食が常に起こっていそうですが、 実際には皆既月食はめったに起こりません。 何故でしょうか? そうですね、 それは、 月がいつも地球の太陽を中心とする公転面上にあるとは限らないからです。
月の地球を中心とする公転面は、 地球の太陽を中心とする公転面に対して
傾いています。 また、 月の地球を中心とする公転面は、 その傾きを保ったまま、 地球の太陽を中心とする公転面に対して
の周期で自転しています。
ですから、 満月の 地球の太陽を中心とする公転面 に対する角度は

〜
の間にあります。 地球から月までの距離は地球の直径のおよそ 30倍 です。 ですから、 たとえば満月の地球の太陽を中心とする公転面に対する角度が 1 度 のときには、 次の式から得られる値だけ月の中心は地球の太陽を中心とする公転面から離れています。
太陽、 地球、 月 の順にほぼ直線上に並ぶと、 満月が地球の影にすっぽりと入って皆既月食になるのですが ・ ・ ・ ・ 。 この辺りのことが、 皆既月食がめったに見られない理由となっています。
皆既月食とは、 光源 と 光反射物質 との間に 観察者 が割り込むために、 光が光反射物質に届かなくなって、 光が反射されなくなる現象です。 一方、 皆既日食は、 光源 と 観察者 の間に 光反射物質 が割り込むために光が観察者に届かなくなる現象です。 皆既日食は、 月からすると、 自分の影がすべて地球に映ることです。 地球に映っている月の影の部分にいる人からは、 皆既日食が見えます。 一方、 皆既月食は、 地球からすると、 自分の影の一部が月全体に映ることです。 月からすると、 皆既月食は「 月にとっての皆既日食 」になります。 皆既月食はその時間に満月を見ることのできる所にいる人からは見えますので、 皆既日食よりも皆既月食の方が、 多くの人から見られているのかと思いきや、 睡眠中や泥酔中の人も多くて、 その差は思ったほどでもなさそうです。
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