ベクトルの類似度
その他の数学 へ戻る
大学生のための数学 へ戻る
2017.01.08


  今回は「 ベクトル類似度 」の提案をさせていただきます。

  最初に2つのベクトルが作る角度の表現方法について、 次のような約束をさせていただきたいと存じます。
 ベクトル を反時計回りにθラジアン回転させると と同じ向きになるとき、 に対する の角度は θラジアン( −2πθ ≦ 2π )であると言うことにします。

  2つのベクトル とがあります。 であり、 かつ、 に対する の角度は θラジアンであるとします。 このとき、 との「 ベクトル類似度 」の定義を次のようにすることにします。

      

  のとき、 記号 は2つのベクトルが比較的に反対向きになっていることを表します。 またその後に続く値は正の数になります。

 「 ベクトル類似度 」が 1 であるということは、 とは同じベクトルであるということを意味します。 今からその理由を述べます。

  定義より、「 ベクトル類似度 」が 1 であるための必要条件は、 2つのベクトルの作る角度が90度以下であるということです。 次に、
        なので 
      また、 cosθ ≦ 1
      よって、
          

  以上より、 2つのベクトルの大きさが異なるときには決してベクトル類似度は 1 にならないことがわかります。 最後に として定義式に当てはめると 1 になることが解ります。

  最後に「 ベクトル類似度 」が になるのはどんな場合かを考えてみましょう。 まず、 4つの場合が浮かんでくると思います。 それは、

    と反対向きで大きさが半分のとき
    と反対向きで大きさが2倍のとき
    と同じ大きさで に対する角度が120度のとき
    と同じ大きさで に対する角度が−120度のとき

  しかし、 それだけではありません。 とが作る角度が で、 の大きさが次の式で与えられるときも「 ベクトル類似度 」が になります。
     
  たとえば、 の大きさの に対する角度が 135度のベクトルや、 の大きさの に対する角度が −135度のベクトルが、 それに相当します。