(3) 物質の移動スピードと活動スピード
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物質C の空間移動速度は、 物質C と観察者A との相対的移動関係によって決まる。 相対性理論では、 物質C の移動速度は、 静止していると見なされる観察者A に対する物質C の速度であり、 それは移動している物質C に所属しているのではなく、 静止している観察者A に所属している物理量である。 したがって、 もう1人の相対的等速直線運動をしている観察者B が存在するときに、「 観察者A にとっての、 物質C の観察者B に対する速度 」という概念を相対性理論は否定する。「 観察者A にとっての物質C の速度 」もしくは「 観察者B にとっての物質C の速度 」の2つだけしか認めていないのである。「 観察者A にとっての、 物質C の観察者B に対する速度 」というニュートン力学における「 客観的速度 」を相対性理論に持ち込んでしまうと、 混乱が起きてしまう。 つまり、 早い話が、 光の速さが一定普遍にならないのである。
相対性理論によると、 物質の活動のスピードは、 観察のされ方によって異なる。 物質の観察のされ方とは、「 観察者と物質の間の、 相対的な移動のスピード 」のこと、 つまり、「 観察者にとっての物質の速さ 」のことである。
移動していない物質の活動のスピードは絶対的な数
で表され、 物質の移動速度の大きさが大きいほどその方向に関係なく、 物質の活動スピードは小さくなっていく。 物質の活動スピードのことを「 相対的活動スピード 」ということにして
で表し、 物質の移動速度の大きさ ( 速さ ) を
とすると、 次の式が成り立つ。 ここでは、 光の速さを
とする単位系を用いる。
物質の活動には、 物質の エキササイズ や 温度や形状などの状態変化 や 内部の化学反応 などがあるが、 それらの物質の活動を「 物質の自転 」で象徴することにする。 すると、 移動している物質は、 移動していない時に比べてゆっくりと自転していることになる。 物質により、 移動していない時の自転スピードは様々である。 しかし、 相対性理論が問題にしているのは、 物質が移動していない時の自転スピードの大きさではなく、 自転スピードが観察のされ方でどのように変化するかということなので、 物質が移動していない時のそれぞれの自転スピード ( これを、「 定空刻自転スピード 」と言うことにする。) を、 万物に共通な「 活動スピード
」とする。では、 ここで問題である。 それぞれの物質に「 固有な定空刻自転スピート ゙」はあるのだろうか? 一般的にはないが、 発光物質の中の光子については、 それがある。 それは、 ある温度の発光物質が移動していない時に放つ光の振動数になって現れる。 これを光子の「 固有振動 」という。 しかし、 その光子が発光物質から放たれて、 発光物質に対して移動し続けている観察者に飛び込んできたときには、 その固有の振動数とは異なっている。 それは、 固有振動の上に、「 相対的活動スピード 」と「 ドップラー効果 」の両方を反映したものになっているのだ。 光子の「 相対的活動スピード 」による振動数の減少率は、 観察者の視線に対して垂直方向に移動している発光物質から放たれる光の振動数の減少率に等しいとされており、 したがって、「 相対的活動スピード 」を反映する光子の振動数減少は「 横ドップラー効果 」と言われている。 このように、 観察者にとっての発光物質が放つ光の振動数は、 発光物質の移動スピードによって、 固有振動数からのズレ幅が決まってくる。 したがって、 星の光を発する物質とその温度が解れば、 星の光の固有振動数が解るので、 それ と 実際に測定される星の光の振動数 とを用いて計算すると、 星の地球に対する移動スピードを知ることができる。 このようにして、 現在では、 宇宙が膨張していることやそのスピードが解っているそうである。
相対性理論では、「 逆ローレンツ変換 」によって、 静止している物質の時間が移動している物質の時間に変換される。 このときの変換率は
倍 である。「 相対的活動スピード 」は、 その変換率の逆数になっている。 これには、 ちゃんとした理由がある。 それは、 2つの座標系で物質が自転する回数が同じだからである。移動している物質の「 相対的活動スピード 」は、 移動していない時の活動スピード
よりも小さくなっている。{ もし「 AにとってBが速さ
で移動している。」ならば、「 BにとってAは速さ
で移動している。」 } という命題は真であるので、{ もし「 AにとってのBの相対的活動スピードは
である。」ならば、「 BにとってのAの相対的活動スピードは
である。」 } という命題は真になる。そこで問題である。「 AにとってのBの相対的活動スピードは
である。」かつ「 BにとってのAの相対的活動スピードは
である。」ということは、 実際にあることなのか? それとも見かけ上そう見えるだけなのか? この答えを求めるためにも、 特殊相対性理論の勉強をさあ始めよう。
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