直交行列とは、 直交する大きさ 1 のベクトルの ベクペア ( 私の造語 )のことです。
直交行列を表現行列に持つテンソルには、原点を起点とするベクトルに対して原点を中心として回転させるものと、原点を起点とするベクトルに対して原点を通る直線に対して鏡像になるように移動させるものとがあります。後者のテンソル( ベクトル変換関数 )のことを、私は「 鏡像テンソル 」と言っています。
鏡像テンソルの表現行列:
直線 y = ( tan θ ) x に対して鏡像になるように移動させる写像を担うテンソル

上記の鏡像テンソルによって、基底 ex ベクトル は、ベクトル( cos 2θ ,sin 2θ )に移され、
基底 ey ベクトル は、ベクトル( sin 2θ ,−cos 2θ )に移されます。

※ 参照: 大学生のための数学 > 線形代数学 > 2次直交行列その2
2次元直交座標系を考えてください。y 軸を鏡として第1象限にある図形を第2象限に写して左右反転してみましょう。x 軸基底ベクトルは(−1, 0 )に変換され、y 軸基底ベクトルは無変換なので、この写像は、次の表現行列を持つ鏡像テンソルによってなされることが分かります。

では、原点を通る直線
を鏡として鏡像を得るにはどんな鏡像テンソルを用いればいいでしょうか?それには、まず x 軸を鏡として第1象限にある図形を第4象限に写して左右反転し、それを原点を中心に反時計回りに 2θ ラジアン回転させればいいのです。
x 軸を鏡として反転させる鏡像テンソルの表現行列は次のようになります。

原点を中心に反時計回りに 2θ ラジアン回転させるテンソルの表現行列は次のようになります。

したがって求めたい鏡像テンソルの表現行列は次のようになります。

次の式が成り立つことは、反転の反転は何もしないことと同じであることを物語っています。

直線 y = x を鏡として鏡像を得る鏡像テンソルの表現行列は次のようになります。

この鏡像テンソルの表現行列が、原点中心時計回り90度の座標変換によって、どんな変形を受けるか考えましょう。
原点中心時計回り90度の座標変換テンソルの表現行列は次のようなものです。

この行列の逆行列は次のようになります。( 基底変換テンソルの表現行列 )

なぜなら、次に式が成り立っているから。

したがって、直線 y = x を鏡として鏡像を得る鏡像テンソルの表現行列は、原点中心時計回り90度の座標変換によって、次のように変化します。



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