§10. 加速度が小さい場合の電子の力学
(1)質量は座標変換により、 2つに分離する。
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まず、 物体の持つ質量は、 座標変換で変化するという仮定をしよう。
第1観察者の座標系で移動している物体の質量
は、 第0観察者の座標系では静止している物体となり、 その質量は
で表されるとしよう。第1観察者の座標系で、 X軸の方向に速さ
で移動している質量
と電荷
を持つ電子が存在している座標点には、次のような電場と磁場が存在しているとする。電場
, 磁場 
すると、 この電子には次のような力が働いていることになる。

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・( 式 A たち )
これを、 第1観察者に対して、 X軸の方向に速さ
で移動している第0観察者の座標系に変換してみる。 すると、 次のようになる。静止している電荷
を持つ電子が存在している座標点には、 次のような電場が存在する。

この電子には次のような力が働いている。

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・( 式 B たち )
第1観察者の座標系で、 電子が加速し始めた瞬間の、 加速度と力の関係は、 次の式で表される。

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・( 式 C たち )
つまり、

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・( 式 D たち )
第0観察者の座標系で、 電子が加速し始めた瞬間の、 加速度と力の関係は、 次の式で表される。

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・( 式 E たち )
つまり、

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・( 式 F たち )
さて、 ローレンツ変換より、 2つの座標系には次のような関係があることがわかっている。



そこで、 これらを( 式 F たち )に代入して、 次の式たちを得る。



これらを書きなおすと、



「 加速度は、 静止している物質が移動し始める場合にのみ、 正しいものである。」と定義した上で、 これらの式たちを( 式 D たち )と比較すると、 我々は次のことを言うことができる。
縦質量 :

横質量 :

以上が、 アインシュタインの言っていることですが、 最後のほうは次のように手直ししたほうがいいのではないかと思います。
「 さて、 ローレンツ変換より、 2つの座標系には次のような関係があることがわかっています。

そこで、 これらと(式 B たち)を(式 F たち)に代入して、 次の式たちを得ます。



これらの式たちに、(式 A たち)を代入すると、 次のようになります。



これらを書きなおすと、



これらの式たちと(式 C たち)を比較すると、 次のことを言うことができます。
運動水平方向質量 :

運動垂直方向質量 :

」
では、 どうして方向によって質量が異なるのでしょうか? これで本当にいいのでしょうか?
実は、 質量が速さ
により変化するにもかかわらず、 従来の運動方程式を用いてしまったために、 おかしなことになったのです。そこで、 運動方程式 :
を、次のように書き直します。
・ ・ ・ ・ ・( 式 A )この式はいったいどこから来たのでしょうか? 導いてみましょう。
運動垂直方向質量が
で表されることより、 次の仮説を立てます。「 静止しているとき物体の質量を
で表すと、 その物体に対して速さ
で移動している観察者にとって、 その物体の質量(
)は次のようになる。
・ ・ ・ ・ ・( 式 B ) 」すると、









以上が、( 式 A )の由来です。
さてここで、
と
とを比べると、 次のようになります。
また、
と
とを比べると、 次のようになります。
したがって、 運動方程式として( 式 A )を採用すれば、 運動水平方向質量 も 運動垂直方向質量 も共に次のようになることがわかります。

運動水平方向質量 と 運動垂直方向質量 が等しく上式のようになるということは、 仮定の( 式 B )は真実であると言えそうです。
-
静止している電子が、 一様な電場の中を電気力の作用を受けて移動し始めた。 そして、 速さが
になったとき、 その電子の運動エネルギー(
)は、 次の式より求めることができる。





この式より、 私たちは次のような式が成り立っているのではないかと思いつくのですが、 アインシュタインはこのことには一切触れていません。

以上が
でした。 ちょっと休憩 : C のエビデンス
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[ 電荷が存在しない空間における Maxwellの方程式 ]




コメント :
は、 次のようにも表されます。
ただし、


より、

この式に、
と
を代入すると、
・ ・ ・ ・ 
より、

この式に、
と
を代入すると、
・ ・ ・ ・
さて、 波の方程式は次のように表されます。


は、 波長です。
は、 角振動数です。
は、 波の伝わる速さです。そこで、 次の2つの式が成り立ちます。
・ ・ ・ ・ ・ ・ 
・ ・ ・ ・ ・ ・ 
と
より、 次のような波動方程式が導かれます。
・ ・ ・ ・ ・ ・ 

ここで、
と
と
を比べてみましょう。 すると、 次のことが憶測できます。「
や
は、 波の一種で、 その波の速さは C( 光の速さ )である。 」これから、 さらに次のように考えることができます。
「 電場と磁場は一体になった波を形成する。 それを電磁波と言おう。 電磁
波が伝わる速さが光の速さに等しいということは 、光は電磁波の一種であ
るということである。 」
「 光の速さがいかなる慣性系においても一定であることは、 原理というより
も、『 相対性原理 』から導かれる定理ではないか?」
続きまして、 次の論文です。
( 要 約 )
Ist die Tragheit eins Korpers von seinem Energiegehalt abhangig?
アインシュタインは2次元平面で説明していますが、 私には難しすぎて理解できません。 そこで、 1次元空間で考えてみます。
第1観察者が観察している静止している物体の持つエネルギーを
とする。 この物体を、 第1観察者に対して速さ
で移動している第2観察者が観察した時のエネルギーを
とする。今、 この物体が、 第2観察者の運動方向と同じ方向に、 第1観察者に対して速さ
で、 エネルギー
の光子を1個放射した。 それと同時に、 この物体は、 第2観察者の運動方向と逆方向に、 第1観察者に対して速さ
で、 エネルギー
の光子を1個放射した。すると、 この物体は、 第1観察者にとってエネルギー
を持つものとなり、 第2観察者にとってエネルギー
を持つものとなった。第2観察者にとっては、 自分の運動方向と同じ方向に、 自分に対して速さ
で放射された光子のエネルギーは、
であり、自分の運動方向と逆方向に、 自分に対して速さ
で放射された光子のエネルギーは、
である。以上のことを式にまとめると、 次のようになる。

この式より、 物体が光子を放出することによって失うエネルギーは、 観察のしかたによって異なる、 相対的なものであることがわかる。
ここで、 第2観察者にとっての光子を放出する前の物体の運動エネルギーを
、 第2観察者にとっての光子を放出した後の物体の運動エネルギーを
と置くと、 次のようになる。
したがって、



この式より、 物質の速さは変化しないにもかかわらず、 物質の運動エネルギーは減少していることがわかります。 そこで、 アインシュタインはこう言います。
「 次のマクローリン展開式を思い出してほしい。
が 0 に極めて近い場合は
になるので、 次の式が成り立つ。
この式から、 物体がエネルギー
を失えば、 その質量は
減少することがわかる。」しかし、 私には論理が飛躍しているように思えてなりません。 そこで、 ここからは、 アインシュタインの論文の行間の意味を勝手に読んだ私の解説になります。
ここで、 質量は光子の放出によっても減少するものであり、 また、 座標変換によって変化するものであると仮定します。 そして、 次のように置きます。
第1観察者にとっての物体が光子を放出する前の質量を
とします。第2観察者にとっての物体が光子を放出する前の質量を
とします。第1観察者にとっての物体が光子を放出した後の質量を
をします。第2観察者にとっての物体が光子を放出した後の質量を
とします。すると、
ですから、 上記の式より、
となります。この式は、 物体がエネルギーを放射することによって質量が減少するということを意味しています。 ということは、 質量とエネルギーは同等ではないかというアイディアが浮かんできます。
そこで、
と置いてみましょう。すると、 次のようになります。
・ ・ ・ ・ ・ ・( 式1たち )
・ ・ ・( 式2たち )( 式2たち )より、 次のようになります。

・ ・ ・ ・ ・ ・( 式3たち )
( 式3たち )より、 次のようになります。

この式から、 もし、 エネルギーと質量が同等であると仮定すると、 物体が光子を放出することによって失うエネルギー( 質量 )の割合は、 観察のしかたによって異なることのない絶対的なもので、 それは相対性原理を裏切らないことがわかります。
ここで、( 式1たち )に注目してください。 物体が失ったエネルギー( 質量 )が、 物体が静止しているという立場にある第1観察者にとっては
であり、 物質が速さ
で移動しているという立場にある第2観察者にとっては
です。 したがって、 物質のエネルギー( 質量 )は、 次のようになっていると仮定することができます。「 静止している物体の質量( エネルギー )を
とし、 その物体に対して速さ
で移動している観察者が観察したその物体の質量( エネルギー )を
とするとき、 次の式が成り立つ。
」これを、( 式3たち )に当てはめると、 次のようになります。

・ ・ ・ ・ ・ ・( 式4たち )
( 式4たち )を、 次のマクローリン展開式と比較してみます。

すると、( 式4たち )は、 本当は次の近似式を表しているのではないかと思われます。

つまり、( 式3たち )は、 本当は次の近似式を表しているのではないかと考えられます。

よって、( 式3たち )は、 本当は次の式たちを表しているのではないかと考えられます。

こうして、 結局、( 式1たち )から仮定した式が、( 式2たち )の本質を表すものであったことが明らかになりました。
以上、 一見、 堂々巡りをしたようですけれど、 結局は、 次の2つの仮定は正しいという結論に到達したことになります。
エネルギー と 質量 は、 同等である。 (
)
速さ
で移動している「 静止質量(
)」の物体の質量(
)は、 次の方程式で表わされる。

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