「 正規分布に従う母集団の母平均が特定の値に等しい。」という命題が 偽 であると言い切れるのなら、母集団に特定の値のレッテルを張ることを禁じることにします。その判断をするために、この母集団から無作為に10個のサンプルを採取して、自由度9、優位水準 5% の t検定( 両側 ) を行います。
【 例 題 】
-
ある工場で日頃「容量500ml」とラベルに書かれた飲料水のペットボトルを生産しています。母集団のペットボトルの中の実際の水の容量は正規分布に従うことは分かっています。あるとき、無作為に10個のサンプルを採取して、ペットボトルの中の水の容量を調べました。すると、次のようでした。
500ml 498ml 497ml 501ml 498ml 499ml 502ml 497ml 499ml 498ml
このまま「容量500ml」とラベルに書かれた飲料水のペットボトルとして市場に出していいかどうか? 検定をして答えてください。
-
帰無仮説: この工場で製造する飲料水のペットボトルの中の水の容量は 500ml である。
標本平均: 498.9
標本不偏分散: 2.767
t検定の統計数値表より: 自由度9、優位水準 5% は 「 2.262 」
t値:

−2.091 > −2.262 にて、t値は特殊な値であるとは言えない。
ということは。今回のサンプル調査では、この工場で生産される飲料水のペットボトルの水の容量が 500ml ではないと言い切ることはできないということである。つまり、帰無仮説は棄却することはできないということである。
というわけで、このまま「容量500ml」とラベルに書かれた飲料水のペットボトルとして市場に出していいという答えになります。
-
t値よりP値が得られます。P値は TDIST(t値の絶対値, 自由度, 2(両側)) という演算を実行して求めますが、Excel や Desmos などのアプリケーションソフトが勝手にやってくれます。P値は t値の絶対値がそれ以上大きくなるとt分布の端から何%の範囲内に入るようになるのかを表します。したがって、優位水準 5% では P値が 0.05以下のとき、帰無仮説は棄却され対立仮説が採択されることになります。
Desmos でこの問題を解くのは簡単です。P値が 0.06605 と表示されますので、帰無仮説は棄却することはできないということがわかります。また、t値も−2.09129 と表示されます。次のように打ち込んでください。
-
\[ \begin{flalign}
I=\left[500,498,497,501,498,499,502,497,499,498\right]&&
\end{flalign} \]
\[ \begin{flalign}
y=\operatorname{ttest}(I)&&
\end{flalign} \]
※ 優位性テストをクリックして、\(μ\)= のところに 500 と記入し、
テール:両側を選択し、縦3つボタンをクリックしてください。
コピペ用テキストエリア( Ctrl+v で貼り付け ):
統計学 へ戻る