(1) 2次正方行列の基本






のとき、
を「 対称行列 」といいます。「 対称行列 」は次のように表されます。
-
2つのベクトルの順序列
があります。 私はこれを「 ベクペア 」と言って、 次のように表しています。
も
も 大きさが 1 で、 互いに直交する とき、
を「 直交行列 」といいます。 したがって、 直交行列は次のように表されます。
したがって、 直交行列は次のように表されます。

これから、 直交行列の転置行列は逆行列に等しい ことを示します。

したがって、
です。
の行列式は、 次のようになります。
さて、 一般に
を満たす
の行列式は
です。 これからその理由を示します。
のとき、 次の4つの式が成り立ちます。



と
を辺々かけると

は
の「 行列式 」です。 また、
の行列式は
です。 したがって、
を満たす
の行列式の絶対値は
であることが解りました。表現行列が直交行列になっている演算テンソルは、 ベクトルの大きさを変えません。 その理由は次のごとしです。




表現行列が直交行列になっている演算テンソルは、 2つのベクトルの内積を変えません。 その理由は次のごとしです




2つのベクトルの内積を変えない演算テンソルは、 ベクトルの大きさを変えない演算テンソルであるということです。 ベクトルの大きさが変わらない写像は 「 等長変換 」 と言われます。
ベクトルの大きさを変えない演算テンソル
に、 固有ベクトル と 固有値 のペア
が存在する時、 次の式が成り立ちます。
写像の前後でベクトルの大きさが変わりませんので、 次の式が成り立ちます。

と
より、
であることがわかります。 つまり、 ベクトルの大きさを変えない演算テンソルの固有値の絶対値は
であるということです。-
大きさが 1 のベクトル
を反時計回りに90度回転させたベクトル
があります。
を主として
とのベクペアを作ると次のようになります。
直交する大きさが 1 のベクトルのベクペアは、 ベクトルに対してそれを反時計回りに回転させる作用を持つ演算子になります。
を時計回りに90度回転させたベクトル
があります。
を主として
とのベクペアを作ると次のようになります。
これもベクトルに対してそれを回転させる作用を持つ演算子になのですが、 それが解りにくい姿をしています。 そこで、 こう考えます。
は
ベクトルを反時計回りに270度回転させたものである。
は
ベクトルを反時計回りに90度回転させたものである。よって、

したがって、
を主とする
とのベクペアは次のようになります。
これで、
を主とする
とのベクペアは、 ベクトルを反時計回りに
回転させるテンソルであることが一目瞭然になります。-
直交行列は、 基底変換テンソルの表現行列になることがしばしばあります。 直交行列を表現行列とする基底変換テンソルは、 直交している基底の要素たちに対して、 大きさを変えずに直交したままの写像を提供します。 これは現実的な座標変換で、 次のような座標軸を反時計回りに
回転させる座標変換を担うテンソルの表現行列でもあります。基底変換テンソルの表現行列 :

座標変換テンソルの表現行列 :

また、 直交行列は対称行列の対角化をするときにも役立ちます。 対称行列の対角化とは、 対称行列を表現行列に持つ演算テンソルを、 固有空間ベクトル空間における対角行列を表現行列に持つ演算テンソルに座標変換することです。 ベクトルの座標変換ではなく演算子( 関数 )の座標変換なので少しややこしいですので、 対角化についてはまた別の機会に述べることにします。
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