(14) 時間の基底が虚数であることを忘れていませんか

  今までは、 時間を実数とする時空間で考えてきましたが、 相対性理論が扱っているミンコフスキー時空間は、 時間が虚数なのです。 したがって、 本当のローレンツ変換は直交直線座標系から斜交直線座標系への座標変換ではなく、 直交直線座標系から直交直線座標系への座標変換であり、 位置ベクトルの大きさを変えない等長変換なのです。 そのことを見ていくことにしましょう。

1次元虚数時間と1次元空間が直交する2次元ミンコフスキー時空間の基底

その時空間の計量テンソルの表現行列

ローレンツ変換後の基底

ローレンツ変換における座標変換テンソルの表現行列

ローレンツ変換における基底変換テンソルの表現行列

ローレンツ変換後の計量テンソルの表現行列

               したがって、 次の式が成り立ちます。
                  
               この式から、 ローレンツ変換後の基底が生成する時空間は直交座標
              系であることがわかります。
               というと、 ローレンツ変換後の基底は、 直交座標系の時間軸と空間
              軸が近づくようにそれぞれ  ずつ回転してい
              るのだから、 直交座標系であるわけがないだろうと思われるかもしれ
              ませんが、 虚数角の回転ですので、 そうなるのです。


ローレンツ変換における基底の変換式


      したがって、
         
         

位置ベクトル のローレンツ変換


変換前の位置ベクトル の大きさ
    

ローレンツ変換後の位置ベクトル の大きさ
    
    


  したがって、 ローレンツ変換は、 直交直線座標系から直交直線座標系への等長変換であることがわかります。 ということは、 ミンコフスキー時空間を 「 時間の基底は虚数である。」 ということを忘れずにきちんと取り扱えば、 ローレンツ変換は 「 ニュートン力学的観察から相対論的観察への翻訳グッズ 」 ではなく、 やはり 「 相対論的な座標変換の道具 」 である可能性が強い { もしミンコフスキー時空間における時空間距離 ( 位置ベクトル ) が座標変換にて不変であるということが真実でなければ、 残念ながらローレンツ変換は相対論的な座標変換の道具にはなりませんが } と言うことができます。 そこで、 虚数時間を容認するか否かの問題になって参ります。




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